第2回「田んぼの生きもの教室」田んぼで生きものさがしと水田植物の観察
第2回「田んぼの生きもの教室」
田んぼで生きものさがしと水田植物の観察(H27.7.25)
平成27年7月25日(土)に第2回田んぼの生きもの教室「田んぼで生きものさがしと水田植物の観察」を開催しました!
今回は小学生とその保護者17組50名の方々が参加し、水田植物の観察、水中の生きものの観察、田んぼのまわりの生きものの観察を行いました。
田植えから約1ヶ月経った田んぼ。
稲の大きさも約50cmになりました。
田んぼに入る前に、育った稲の様子や、田んぼの生きものを観察します。
何かみつけたかな?
田植えの時と比べて稲が大きくなったのはもちろん、田んぼには、たくさんの水草が生えてきました。
これらの水草は、田んぼに水が入る時期に発芽し、水がなくなる頃には種をつけ、種は田んぼに水がない間、土の中で春を待ちます。
第1回の観察会でみつかったカブトエビやホウネンエビと同じように、田んぼに水が入るサイクルを上手に利用して命をつないでいます。
稲を育てる上では“雑草”として除草されてしまう彼らですが、今では絶滅を心配されている種類も少なくありません。
昔、手作業で除草を行っていた時代には生き延びることができていたものも、除草剤の使用によって姿を消しているのです。
この日は、田んぼの一部に水草を残すスペースを設けて、それ以外の場所を手作業で参加者の方々に除草していただきました。
とれた水草は種類ごとに仕分けをして、職員が解説しました。
鳥の羽毛のようにふわふわとしたオオトリゲモや
矢尻型の葉が特徴のアギナシがみられました。
ちなみに観察会のときは白いつぼみをつけていましたが、翌日になるとかわいい花が咲いていました。
田んぼの中には他にも、クワイの原種であるオモダカや、アゼナ、コナギ、ミズオオバコ、ササバモなどがみられました。
次に、田んぼに入って水の中の生きものを探しました。
とれた生物を皆で観察し、職員が解説します。
第1回の観察会でみられたカブトエビやホウネンエビは姿を消し、カイエビはだいぶ少なくなりました。
その代わりに、トンボのヤゴや、足の生えたオタマジャクシ、小さいカエルがたくさん観察できました。
最後に、田んぼのまわりの生きものをさがします。
この日は、ギンヤンマ、アオモンイトトンボ、シオカラトンボの仲間などトンボの仲間がたくさんとれました。
立派なギンヤンマのオス。子供たちは、最初は触ることをためらっていたものの、羽を持ってみればもう平気。きれいな目や、獲物をとらえる口の様子をじっくりと観察していました。
第1回の観察会とはまた違った田んぼの様子を観察することで、田んぼの生物多様性により感じていただくことができたかと思います。
次回の「田んぼの生きもの教室」は10月10日(土)稲刈りです。
田んぼの様子は「H27年度 田んぼの生きもの教室」のページで随時更新していきます。
なお、夏休み期間中の8月20日(木)には、「田んぼの生きもの教室」参加者のうち希望者を対象として田んぼを観察していただく機会を設けます。
第2回の教室で観察していただいた植物が花や種をつける様子をみることができます。詳細は追ってご連絡いたします。
★今回の教室は4名の水生生物センターサポートスタッフの方々にご協力いただきました。ありがとうございました。
※水生生物センターの田んぼは、田んぼに集まる生きものたちを観察してもらうための田んぼです。農家の方々が営んでいる田んぼには、許可なく立ち入ることはしないでください。
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