大阪府立環境農林水産総合研究所

食と農の研究部 防除グループ

 

グループの紹介

 野菜、果樹、花き、水稲、緑化樹の病害虫診断及び防除技術の開発に取り組んでいます。

 

 化学合成農薬の使用を減らすため、天敵等の生物農薬を利用した病害虫防除技術や特定波長域の光を利用した害虫防除技術、特定外来生物クビアカツヤカミキリの総合防除技術などを開発し、環境への影響が少なく安全・安心な農産物生産に貢献しています。

 

防除グループリーダー 西岡 輝美

担当分野

  • [農林]病害虫の診断・検定技術の開発
    • 農作物に発生した病害虫について、検鏡・培養・血清診断・遺伝子診断により診断を行い同定するほか、これらの病害虫の薬剤感受性を調査しています。
  • [農林]環境と調和した病害虫防除技術の開発
    • 化学合成農薬以外の防除手法を栽培体系に合理的に取り入れた、できるだけ農薬を使わない病害虫制御技術の開発に取り組んでいます。
  • [農林]農産物病害虫の発生監視モニタリング
    • 府内農作物に発生する病害虫を定期的に調査し、府が発表する病害虫の発生情報に反映しています。また、新たな侵入病害虫の発生や蔓延を防ぐため、これらの診断や同定を行うほか、防除対策の確立に取り組んでいます。

調査研究成果

最近の研究実績

  • 光反射シートを用いたネギアザミウマおよびネギえそ条斑病の防除技術(R5)
  • 生物農薬(BS剤)によるシュンギク葉枯病の防除法(H30)
  • サクラ類等樹木を加害する外来種クビアカツヤカミキリの被害実態調査(H29~H30)

最近の共同研究実績

  • 相次いで侵入した外来カミキリムシから日本の果樹と樹木を守る総合対策手法の確立(農研機構ほか10機関、R4~R7)
  • サクラ・モモ・ウメ等バラ科樹木を加害する外来種クビアカツヤカミキリの防除法の開発(森林機構ほか11機関、H30~R3)
  • 薬剤を使用しない新たな種子消毒技術の実用化(佐賀大学ほか2機関、H29~30)
  • 飛ばないナミテントウの施設利用を促進し露地利用へと拡張する代替餌システムの開発(農研機構ほか9機関、H28~30)
  • SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)持続可能な農業生産のための新たな総合的植物保護技術の開発(農研機構ほか56機関、H26~30)
  • ゲノム情報等を活用した薬剤抵抗性管理技術の開発(農業生物資源研究所ほか22機関、H26~30)

主な業績

〈論文〉

  • 柴尾 学・城塚 可奈子・金子 修治・岩崎 大樹(2022)赤色LED光照射および光反射シート被覆が施設ナスのネギアザミウマの発生に及ぼす影響.関西病虫研報64:128-130.

  • 金子 修治・城塚 可奈子(2022)IoT自動撮影カメラを装着した粘着式フェロモントラップによるシロイチモジヨトウの日別誘殺数の即日把握:現地キク圃場での検証. 関西病虫研報64:125-127.

  • 金子 修治・城塚 可奈子・磯部 武志(2021)市販のIoT自動撮影カメラと市販品から自作した粘着式フェロモントラップを組み合わせて害虫の日別誘殺数を即日把握する:シロイチモジヨトウでの適用の試み. 関西病虫研報63:155-158.

  • 柴尾学・城塚可奈子・青木慎一(2020)赤色光照射および光反射シート被覆による施設ナス・キュウリのアザミウマ類2種(アザミウマ目:アザミウマ科)の密度抑制.応動昆64:74-78.

  • 金子修治(2020)JPP―NET が提供する有効積算温度計算シミュレーションを用いた大阪府におけるオオタバコガの成虫発生時期予測:気温上昇の影響評価の試み.植物防疫74:647-650.

  • 山本優一(2020)クビアカツヤカミキリの侵入と防除対策.日本農薬学会誌45:127-133.

  • 金子修治(2020)害虫発生時期予測手法の開発:オオタバコガを例に.日本農薬学会誌45:113-115. 

  • 城塚可奈子・金子修治・柴尾学(2020)大阪府内におけるアザミウマ類の薬剤殺虫効果の現状と新たな防除体系.日本農薬学会誌45:1-6.

  • 城塚可奈子・金子修治・柴尾学(2020)大阪府内のミナミキイロアザミウマおよびネギアザミウマに対する薬剤殺虫効果.関西病虫研報62:193-195.

  • 金子修治・城塚可奈子・柴尾学・磯部武志(2020)大阪府の施設栽培ブドウにおけるクワコナカイガラムシ雄成虫の性フェロモントラップ誘殺消長.関西病虫研報62:191-192.

  • Sachika Nishimura, Shinichi Kusakari, Motoaki Tojo(2020)Effects of fungicides and antifungal agents on Olpidium root rot of spinach in a hydroponic culture.関西病虫研報62:157-159.

  • 城塚可奈子・金子修治・柴尾学・久保田豊(2019)ネギアザミウマに対する薬剤殺虫効果の大阪府内での変遷.関西病虫研報61:161-163.

  • 西岡輝美・西村幸芳・瓦谷光男(2019)シュンギク葉枯病に対する各種生物農薬の防除効果.関西病虫研報61:141-144.

  • 西村幸芳・大石(鈴木)真実・瀬上修平・草刈眞一・西岡輝美(2019)水ナス栽培における酸性電解水細霧冷房による果実表面の清浄効果.関西病虫研報61:169-171.

  • 城塚可奈子(2018)昆虫病原性糸状菌メタリジウム・アニソプリエに対する各種薬剤の影響. 植物防疫72(1): 26-30.
  • 金子修治・城塚可奈子・柴尾学・山中聡(2018)大阪府の露地ナス栽培圃場周囲の草地におけるカブリダニ類の種構成と季節消長. 関西病虫研報60:139-141.
  • 金子修治・城塚可奈子・柴尾学(2018)飛ばないナミテントウ幼虫とコレマンアブラバチ成虫の放飼による半促成栽培ナスのアブラムシ密度の長期抑制の検討:天敵温存植物・スイートアリッサムと代替餌・アルテミア耐久卵の併用. 関西病虫研報60:55-59.
  • 城塚可奈子・水野彩夏・柴尾学(2018)赤色防虫ネットおよび光乱反射シートによるイチジクのアザミウマ類の防除効果.関西病虫研報60: 157-160.
  • 西村幸芳・西岡輝美・瓦谷光男・岡田清嗣(2018)大阪府におけるハウス抑制栽培キュウリのウイルス感染状況と遮光およびワクチンによるズッキーニ黄斑モザイクウイルスの被害軽減効果.関西病虫研報60:61-64.
  • 西岡輝美・佐野修司・藤波望・西田真子(2018)天王寺蕪の根こぶ病に対するおとり植物および各種資材の防除効果.関西病虫研報60:95-97.
  • 山本優一・石川陽介(2018)大阪府におけるクビアカツヤカミキリの発生状況について. 関西病虫研報60:17-21.
  • 宮﨑江里・城塚可奈子・柴尾 学(2018)大阪府内におけるキク部位別のアザミウマ類の種構成.関西病虫研報60:145-147.

〈特許〉

  • 草刈眞一 (2014) 誘電分極を用いた分生子吸着による防カビ方法、飛動生物除去装置、及び植物保護装置.米国:特許第8,105,418号. 2012.1.31, 特許第8,262,781号. 2012.9.11. 日本: 特許第5599564号. 26年8月22日
  • 草刈眞一・岡田清嗣・磯部武志 (2014) オゾン水を用いた養液栽培設備および養液栽培方法.特許第5453600号. 26年1月17日
  • 草刈眞一・岡田清嗣・磯部武志(2013) 養液栽培設備および養液栽培方法. 特許第5308247号. 25年7月5日
  • 草刈眞一(2013) 飛動可能生物収集兼オゾン発生装置及び植物栽培装置. 特許第5216225号. 25年3月8日
  • 草刈眞一 (2011) 飛動生物除去装置及び植物保護装置.特許第4771310号. 23年7月1日
  • 岡田清嗣 (2011) フザリウム汚染土壌殺菌用組成物及び該土壌の殺菌方法. 特許第4676180号. 23年2月4日

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