大阪府立環境農林水産総合研究所

食と農の研究部 園芸グループ

 

グループの紹介

 大阪産(もん)野菜・花の生産を総合的に支援するための調査研究に取り組んでいます。

 また、府内農家の水稲安定生産に貢献するため、大阪府等と連携し、水稲の原種を生産するとともに、大阪に適した水稲品種の選定を行っています。

 そして、農業の生産基盤である土壌や生育障害に関する豊富なデータを背景に、地域の土壌や栽培の特性に応じた高品質農産物の生産に向けた調査研究を行っています。

 ICT(情報通信技術)の活用による「スマート農業」を取り入れ、より高品質・省力的な農業生産を実現するため、大阪府で取り組むことがふさわしい施設栽培におけるスマート農業技術に関する調査研究を行っています。

 

園芸グループリーダー 金子 修治

担当分野

野菜
  • [農林]野菜の高品質安定生産技術の開発      
    • 近年の地球温暖化等による野菜の品質や生産性の低下への対策技術や、消費者ニーズに対応する高品質安定生産技術を開発しています。     
  • [農林]野菜の健全優良種苗の提供
    • 「なにわの伝統野菜」、フキなどの当研究所育成品種など、大阪特産品目の優良種苗の維持・増殖と府内への配布を行っています。また、水ナスの品種改良に取り組んでいます。     
  • [農林]施設栽培におけるスマート農業技術の開発
    • ICTを活用した遠隔地からの栽培施設の監視や複合的な制御(細霧冷房、温室側窓の開閉、炭酸ガス施用)、データ収集・活用といったスマート農業技術を開発し、高品質化・省労力化を目指します。     
花き
  • [農林]花きの生産・品質向上技術の開発
    • 切り花の品質保持技術、温暖化への対策技術、花壇苗の生産効率向上技術の開発に取り組んでいます。
土壌・肥料
  • [農林]気候変動等の環境の変化に対応した肥培管理の確立
    • 気候変動等の影響により発生した土壌の水分条件や物理性・化学性の変化により発生する生理障害について機構究明をおこなうとともに、土づくりによる対策技術の開発を行っています。
  • [農林]土壌改良・施肥改善による生産性の向上
    • 新しく開発された土壌改良資材や肥料を使った試験研究を行い、収量・品質の高い農産物の生産に寄与するとともに、環境に配慮した持続的な農業を目指しています。
  • [農林]生産物の有害化学物質の抑制技術の開発
    • ヒ素やカドミウムなどの有害重金属について、水稲や野菜などの吸収を低減できる技術開発に取り組んでいます。
  • [農林]土壌の健全性や肥料の成分の確認
    • 農地土壌のモニタリング調査を行い、大阪府内の農地土壌の健全性や変動を長期にわたり調査しています。また、府内で流通する肥料を公定規格に基づき分析し、確認しています。
作物
  • [農林]水稲種子供給事業
    • 大阪府の主要な水稲品種(ヒノヒカリ等)の原種を生産し、採種農家に提供しています。
  • [農林]水稲奨励品種有望系統調査・水稲高温登熟障害対策
    • 高温に強い品種の選定などを行い、大阪府での栽培に適した新しい有望な水稲品種を決めるための調査を行っています。
  • [農林]新植物調節剤実用化試験
    • 新しい水稲用除草剤や植物生育調節剤の効果確認のための試験を行っています。

オリジナルコンテンツ

最近の調査研究成果

これ以外のもの

平成30年度

共同研究実績

野菜
  • 戦略的スマート農業技術等の開発・改良事業「ネットワーク・コミュニティーを活用したDX推進による都市農業振興と人材育成」(明治大学、ヤンマーホールディングス(株)・日本大学、R4~R6)

  • 革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)「水ナスの低コスト複合環境制御による安定生産の実証」(農研機構野菜花き研究部門・エスペックミック(株)・大阪府環境農林水産部農政室・大阪府泉州農と緑総合事務所、H28~R1)

  • 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)トライアウト「ソリューションサービスのための中小規模温室向け細霧冷房の新動的空間シミュレーションモデルの構築」(大阪市立大学・有光工業(株)、R2~4)

花き
  • 都市域直売切り花の需要に対応する特定日開花・常温品質保持技術の開発(奈良県・兵庫県・和歌山県・農研機構近畿中国四国農業研究センター・京都府立大学・クリザール・ジャパン(株)、H22~)
土壌・肥料
  • 革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)「都市近郊エダマメ栽培体系に適応したダイズシストセンチュウの生物的防除法の開発」(東京農工大学・千葉県農林総合研究センター・神奈川農業技術センター・奈良県研究開発センター・中央農研・株式会社環境管理センター、H28~R1)

主な業績

〈論文〉

野菜
  •  山崎基嘉(2022),葉ゴボウの褐変壊死症の発生とともに観察される葉柄表皮の剥離現象は葉柄の内部氷結により引き起こされる.農生技管誌.29(2): 33-39.

  • 山崎基嘉,上田善紀,瀬上修平,佐野修司,大石真実(2021),葉ゴボウの葉柄の急激な伸長は褐変壊死症(仮称)の発生を助長する.農生技管誌.28(1):1-8.

  • 山崎基嘉(2019)チューブ型赤色LEDを用いた電照による施設ホウレンソウの栽培期間短縮化条件の探索.新近畿中国四国農業研究. 2: 46-54.

  • 山下絵美, 高井雄一郎, 北田康祐, 山崎基嘉, 神谷重樹(2019) ‘田辺’ダイコンの根部の物性および糖含量の特性.新近畿中国四国農業研究. 2: 1-12. 

花き
  • 豊原 憲子, 北村 嘉邦, 後藤 丹十郎「チオ硫酸銀錯体とベンジルアデニンの組み合わせ処理はダッチアイリス ‘ブルーマジック’ 切り花貯蔵後の品質を改善する」,園芸学研究21(2):219-227(2022)

  • 豊原憲子,「球根切り花の品質保持技術/ダッチアイリス、グラジオラス」,農業および園芸96(5):391-403(2021)

  • 豊原憲子,東明音,後藤丹十郎,「ダッチアイリス‘ブルーマジック’切り花の開花と花被片老化に対する切り前,貯蔵方法,ジベレリンおよびベンジルアデニンの影響」,園芸学研究19(1):75-82(2020)

土壌・肥料
  • アクリッシュ穂波・森川信也・草刈眞一・中山武典・高橋正行・高橋靖之(2021)高機能抗菌素材“KENIFINETM”でめっき処理した農作物の養液栽培向け防藻資材の開発.植物環境工学.33:28-31.
  • 鈴木慧・日高平・佐野修司・吉田弦・西村文武(2021)肥料価値向上を目的とした下水汚泥の嫌気性消化脱水分離液の光照射培養.水環境学.44:27-33. 

〈著書〉

  • Shuji Sano and Honami Kongo(2019)Soils in Greenhouse Plots in an Urban Area.In Anthropogenic Soils in Japan. Chapter 12.165-175. Springer Nature.  

〈特許〉

  • 金剛穂波、草刈眞一、森川信也(2021)防藻方法.特許第6949330号. 令和3年9月27日

  • 鈴木真実・草刈眞一・森川信也(2018)複合体.特許第6375041号. 平成30年7月27日
  • 豊原憲子、森川伸也(2017)容器. 特許第6168493号. 平成29年7月7日
  • 森川信也(2014) 発泡装置. 特許第5563792号. 平成26年6月20日
  • 内山知二(2013) 植物栽培装置. 特許第5430919号. 平成25年12月13日
  • 森川信也(2013) 発泡散布装置. 特許第5358135号. 平成25年9月6日
  • 森川信也(2013) 施肥器. 特開2013-143919. 平成25年7月25日
  • 内山知二・佐野修司(2012) 肥効調節機能を持つ土壌改質材. 特開2012-246386. 平成24年12月13日
  • 森川信也・草刈眞一(2012) 水耕栽培用パネル. 特開2012-165680号. 平成24年9月6日
  • 森川信也(2012) 定量潅水による育苗・栽培方法. 特許第5010931号. 平成24年6月8日

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