環境分野 快適な環境や生物多様性の保安全を支える調査研究

大阪府内の中小河川の魚と生息環境

大阪府内の中小河川の魚と生息環境

環境研究部 自然環境グループ (生物多様性センター)


 大阪府内には1級河川127、2級河川38があり、その総延長は854kmです。このうち、大路次川・田尻川・山辺川・余野川 (猪名川水系)、安威川・芥川・水無瀬川(淀川水系)の6河川の一部には漁業権が設定され、遊漁のためアユ・マス類などの放流事業が行われています。
 これまで大阪府内では約130種の淡水魚の生息が確認されていますが(大阪府の淡水魚一覧)、淀川・大和川及び漁業権河川で約110種、それ以外の中小河川の合計は33種となっています。特に泉州地域の樫井川より南の河川には、一生の間に海と川を往復するアユウナギボウズハゼウキゴリの仲間などや、海水魚だが一時期真水でも生活することができるボラマハゼコトヒキなどが多いという特徴があります。これは、この地域の河川の水質や河口域の状態(海と川の間を自由に往来できる)が比較的良好に保たれているためです。一般的に見て、生息種類数の多い河川は長く、支流の多い川で、反対に生息魚数の少ない河川は短く、支流が少なく市街地を流れる川となっています。
 川の水の汚れとそこにすんでいる魚の種類数の関係は、水の汚れがひどくなると川にすんでいる魚の種類数は少なくなり、水質と生息魚の種類数の間に密接な関係があることがわかります。汚れに強いギンブナなどのフナ類が川にいなくなるとその川は死の川となってしまいます。汚れの指標であるBODが4.5ppm以下であればその川には20種類以上の魚がすむことができます。川の汚れもこの程度に抑えたいものです。しかし、水がきれいになっただけでは魚がたくさん棲めるとは限りません。水質以外の河川環境、例えば、川の底の状態や護岸の構造上の問題、流れている水の量、産卵場や生まれたての小さな魚の育つところがないなど、魚が棲むには適していないためです。水質をきれいにするだけではなく、魚がたくさん棲める構造の川にしたいものです。

参考文献

 田中正治・加藤喜久也.(1988).大阪府下中小河川の生息魚種と水質について.水産増殖, 36 ;161-166.

大阪府内河川の生息魚の種類数(1985~86年調査;カッコ内の数字は外来種の種数)

水系・河川名 種類数
猪名川 18(1)
大和川 24(4)
石津川 13(3)
大津川 20(3)
春木川 2
津田川 9
近木川 8
見出川 2
樫井川 12
男里川 14(1)
茶屋川 6
番川 5
大川 6(1)
東川 7
西川 9
合計 58

 

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