大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

淡水魚図鑑(在来種)

タ行

タカハヤ

タカハヤ

本種はコイ科ウグイ亜科に属し、国内では静岡県以西の太平洋側・富山県以西の日本海側本州、 四国、九州、国外は朝鮮半島の南・西岸域,中国大陸東北部に分布。比較的水温の低い渓流の淀みや淵などに生息。 府内では猪名川水系、淀川水系、大和川水系、泉州の山間地に広く分布する。近縁種のアブラハヤに似るが、アブラハヤは府内に生息しないか、生息したとしてもきわめて稀。タカハヤとアブラハヤの区別点は、タカハヤのほうが尾柄高が高く体型的には寸胴。また、タカハヤは体側の暗色縦帯は不明瞭であるのに対して、アブラハヤは体側の暗色斑紋は中央線付近に集中し、腹側は特に少ない。さらにタカハヤはアブラハヤにくらべ鱗が粗く、頭部はアブラハヤより幅が広い(※1)。しかし、これらの特徴は個体差が大きく、産地によっても異なるため完全な区別点とはいえない。
 体長7~13cmになり、水生昆虫や落下昆虫、付着藻類などを食べる雑食性。 3月~7月に川底の砂や石の間に産卵する。

頭部はアブラハヤより幅が広い

(※1)頭部はアブラハヤより幅が広い