大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

大阪湾の生き物図鑑

大阪湾珍魚発見

カタボシイワシ

大阪湾第4のイワシ?!

10月15日に岬町地先の定置網にある1ぴきの魚が入りました。 一見、コノシロやサッパに似ていますが、何か違う。まさかニシン?!なぞと思いながらよくよく調べてみると 「カタボシイワシ」という魚だと分かりました。 図鑑などによるとイワシの仲間でも南の暖かい海に分布する種で、日本では主に鹿児島県あたりに分布しているようです。 今年は、この「大阪湾生き物カタログ」でも紹介したメナガガザミソウシハギなど 南方系の生物の発見が大阪湾で続いており、 カタボシイワシの出現にも、大阪湾の水温が今年は昨年や平年に比べて高かったことが関係していると思われます。

(上左)コノシロ    (上右)サッパ

大阪湾での記録(研究機関が確認したという意味での記録)は今のところ見あたらないのですが、瀬戸内海では 山口県の方で見つかっているようです。近年、太平洋沿岸では発見例が増えているようで、実は皆さんがこれまでに 大阪湾で釣ったイワシやサッパの中に交じっていたかもしれませんね。
 
大阪湾で「イワシ」とつく名前の魚といえば、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種ですが、 このカタボシイワシが今後「大阪湾第4のイワシ」となるのでしょうか?

大阪湾で漁獲される主な”イワシ”
(左上)マイワシ
(上) ウルメイワシ
(左下)カタクチイワシ

今回の生物のデータ
 
◆名前 カタボシイワシ
◆捕獲日 平成24年10月15日
◆大きさ 全長 約17センチ
◆採集場所 岬町地先