大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

大阪湾の生き物図鑑

大阪湾珍魚発見

メナガガザミ

ながーい目でみています

9月25日に阪南市の沖で操業していた底びき網に大阪湾では珍しいカニが入りました。カニの名前は”メナガガザミ”。皆さんよくご存じのガザミ(ワタリガニ)の仲間です。文献によると日本のほかに台湾、中国、インド洋や紅海、ハワイ、オーストラリアまで分布するそうですが、日本では多くはなく、大阪湾でも確認される事はめったにありません。

(左)メナガガザミの眼  (右)ガザミ(ワタリガニ)の眼

(上)メナガガザミの眼と長い柄
 
最大の特徴はなんといっても名前の由来にもなっている眼です。このカニの眼には長い柄(え)がついています。甲羅の上縁には溝があって、長い柄がその溝に収まると、眼の位置は甲羅の左右両端にきます。大阪湾でとれるガザミ(ワタリガニ)が甲羅の中程に眼があるのと比べると、その違いがよく分かります。このカニには周りの世界がいったいどんな風にみえているのでしょうか。
 
大阪湾では1994年にメナガガザミが見つかった記録があり、1994年は夏の水温が例年に比べ高い年でした。今年の夏の大阪湾も水温が昨年や平年に比べて高かったため、南の海に多いメナガガザミが大阪湾に入りこんで来やすい状況にあったと思われます。
 
今回の生物のデータ
 
◆名前 メナガガザミ
◆捕獲日 平成24年9月25日
◆大きさ 甲幅長 5.8センチ
◆採集場所 阪南市地先