大阪府立環境農林水産総合研究所

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魚を食べる

魚を食べる

Q.大阪地元産の魚を手に入れたいのですが?
Q.魚の寄生虫について教えて下さい

Q.大阪地元産の魚を手に入れたいのですが?

 A.一番確実なのは、府の沿岸にある漁業協同組合が、定期的に開催している、青空市場や日曜市です。この市については、大阪府環境農林水産部水産課のホームページに開催日時、アクセスなど詳しく出ていますのでご参考ください。ただ、市場に並んでいると言っても、ズワイガニや鮭、マグロなどは大阪湾では獲れませんね。大阪湾で獲れる魚については、当ホームページの大阪湾のさかなのページをご覧下さい。
また、泉州方面では、魚屋さんにその日に水揚げされた新鮮な魚が売られています。大阪府内でも、魚屋さんを始め、百貨店やスーパーマーケット、生協などで、大阪地元産の鮮魚やワカメ、ノリなどを取り扱っているところもあります。店員さんに聞いてみてください。産地表示がされているのは、「大阪産」とか「泉州産」など、大阪にちなんだ名前を確認しましょう。ただ、干物やシラス干しなどの乾物は大阪に水揚げされた後、府内のほか、近隣県でも加工される場合もあるので、他の産地表示なっていることもあります。イワシシラスやイカナゴシラスの入手は、前出の水産課のホームページのほか地元漁協などのホームページにも載っていますので参考にしてください。

Q.魚の寄生虫について教えて下さい。

 A.過去に水産技術センターに問い合わせのあった質問をもとに、よくある質問をとりあげてみました。

<質問1>

サンマの塩焼きを食べようとしたら、内臓に赤くて細長いものがついていた。これは何か。食べても大丈夫か?

<答え>

可能性としては、サンマの内臓部によく見られる寄生虫ラジノリンクス(鉤頭動物門)が考えられます。鮮やかな橙赤色をしていて、円筒形で長さ2~3cm、幅2~3mm程度です。この寄生虫が人間に害を与えた例はありません。また、この種に限らず、どんな寄生虫でも十分に熱を加えれば無害ですから安心してください。


<質問2>
冷凍アカイカの断面に、直径0.5mmくらいの白い粒々があった。最初はカビかとも思ったが、どうも違うようだ。一体何だろうか?
<答え>
アカイカの皮下には発光器があり、時々「これは寄生虫ではないのか?」と質問が来ます。大きさは1mm弱で、白色かやや黄色っぽい粒状の器官です。生きていたときの外側に近い側に多く分布していれば、発光器である可能性が高いです。もちろん食べても問題はありません。その他の可能性として、イカ類の筋肉中には人間に害を与えるアニサキス類が寄生していることがありますが、外形が異なること、-20℃で24時間以上冷凍すると死滅することから、この例の場合は心配ないでしょう。


<質問3>
カツオを丸ごと買って、刺身にしようとおろしたら、筋肉中に無数の白い粒(径2~3mmの楕円形)があった。これは何か。食べても大丈夫なのか?
<答え>
おそらく、原生動物の1種である粘液胞子虫のシスト(胞子)のかたまりだと思われます。そうであれば生食しても害はありませんが、通常筋肉中に無数に入っていて気持ちが悪いので、食べようとする人はいないようです。


<質問4>
生スルメイカを買ってきて、刺身にしようと開いたら、胴体の内側に小さな白い虫が渦巻き状になってくっついていた。これは何か?
<答え>
アニサキス幼虫である可能性が高いです。この幼虫は多くの海産魚類やイカ類の、主に内蔵や腹部に分布していますが、筋肉中にも見られます。大きさは渦巻き状態になったもので直径5mmくらい、色は白色です。渦巻き状になっておらず、長さ2cm内外、幅1mm弱の細長い虫体が糸くず状になっている場合もあります。線虫類の1種ですが、この幼虫を生きた状態で食べると、胃や腸の壁に侵入し、激しい痛みを起こすことがあります。予防法としては、海産魚介類(特に北洋または北洋回遊魚)を生食するときには魚体をよく見てこの幼虫がいないかどうか注意し、食べる際には良く噛むこと(幼虫は傷を受けるとすぐに死にます)、また内蔵の生食を避けることなどが有効です。