大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

大阪湾の渚(なぎさ)

大阪湾の渚(なぎさ)

Q.渚(なぎさ)とはどんなところですか?
Q.大阪にはどんな渚(なぎさ)がありますか?
Q.潮の干満(満ち引き)はどうしておこるのでしょうか?
Q.潮間帯とはなんですか?
Q.大阪の渚(なぎさ)にはどんな生き物がすんでいますか?
Q.垂直護岸や消波ブロック護岸にはどんな生き物がすんでいますか?
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Q.渚の生物観察の方法を教えて下さい。

Q.渚(なぎさ)とはどんな所ですか?

 A.海と陸の境目の所です。潮の満ち引きにより、位置が移動します。

Q.大阪にはどんな渚(なぎさ)がありますか?

 A.大きく分けて、まったく人が手を加えていない自然海岸と、防波堤などがあるが自然の残っている半自然海岸、人が造った人工海岸の三つがあります。 大阪府に存在する自然海岸はほとんどが岩礁海岸で、半自然海岸は主として砂浜などです。人工海岸には垂直護岸、消波ブロック護岸、人工砂浜、マ-ブル ビ-チなどがあります。また、大阪府の海岸線に占める割合は、自然海岸は1%(岬町)、半自然海岸が3%(主として阪南市)、人工海岸が96%で、大部分が 人工海岸となっています。

Q.潮の干満(満ち引き)はどうしておこるのでしょうか?

 A.太陽と月の引力によって、地球の海水が引っ張られて起きます。特に、満月や新月の時には干満が大きく(大潮といいます)、 半月の時に小さくなります(小潮)。

Q.潮間帯とは何ですか?

 A.潮の干満により干上がったり海の中になったりする場所を潮間帯といいます。潮間帯は干上がることがあるので、乾燥に耐えられる多くの生き物がすんでいます。

Q.大阪の渚(なぎさ)にはどんな生き物がすんでいますか?

 A.ここでは、渚(なぎさ)の中でも、岩礁、砂浜、川の河口について説明します。
岩礁では海藻が100種類以上、動物は200種類以上が記録されています。砂浜では岩礁と比べて種類数は多くありません。 河口は川の水と海の水が混ざる場所で、低塩分を好む独特の生き物がすんでいます。
主な種類は次の通りです。各種類の特徴は図鑑などで調べて下さい。

 

  岩礁 砂浜 河口
緑藻類 ヒラアオノリ、ウスバアオノリ、アナアオサ、ミルなど オオバアオサ、リボンアオサ、ハネモ スジアオノリ
褐藻類 ネバリモ、フクロノリ、カヤモノリ、ワカメ、ウミウチワ、ウミトラノオなど    ヒメアヤギヌ
紅藻類 マルバアマノリ、マクサ、オバクサ、フクロフノリ、コメノリ、ムカデノリ、タンバノリ、フダラク、トサカマツ、ツノマタ、カバノリ、イソバラノリ、オキツノリ、ベニスナゴ、ユナなど オゴノリの1種  
海綿動物 ダイダイイソカイメン、クロイソカイメンなど    
こう腸動物 ベリルイソギンチャク、タテジマイソギンチャクなど    
へん形動物 ウスヒラムシ、オオツノヒラムシなど    
ひも形動物 ミドリヒモムシなど    
星口動物 イケダホシムシなど    
触手動物 フサコケムシ、チゴケムシなど    
ヒザラガイ類 ウスヒザラガイ、ヒザラガイ、ケハダヒザラガイなど    
巻貝類 マツバガイ、ヨメガカサガイ、コウダカアオガイ、イシダタミガイ、クボガイ、コシダカガンガラ、タマキビガイ、アラレタマキビガイ、オオヘビガイ、レイシガイ、イボニシ、ムギガイなど ツメタガイなど イシマキガイ、カワザンショウガイ、マルウズラタマキビ、ホソウミニナ、フトヘナタリなど
ウミウシ類 アメフラシ、クロヘリアメフラシ、ヤマトウミウシ、アオウミウシ、アカエラミノウミウシなど トゲアメフラシ  
有肺類 カラマツガイ、キクノハガイなど    
二枚貝類 カリガネエガイ、ムラサキイガイ、マガキ、トマヤガイ、オニアサリ、アサリなど カガミガイ、アサリ、バカガイなど  
頭足類 マダコ    
環形動物 サンハチウロコムシ、クマノアシツキ、ミズヒキゴカイ、ケヤリムシ、ヤッコカンザシなど タマシキゴカイ、スゴカイイソメなど >ゴカイ、アシナガゴカイ、カニヤドリカンザシゴカイなど
まん脚類 カメノテ、イワフジツボ、クロフジツボ、サンカクフジツボなど   ドロフジツボ、アメリカフジツボ
等脚類 イソヘラムシ、フナムシなど ニセスナホリムシなど イソコツブムシの1種
エビ類 アシナガスジエビ、イソモエビなど クルマエビ、クマエビ、カシオペエビジャコなど ユビナガスジエビ
ヤドカリ類 ホンヤドカリ、ケアシホンヤドカリ、ヒラトゲガニ、イソカニダマシなど ニホンスナモグリ、テナガツノヤドカリなど ユビナガホンヤドカリ
カニ類 ヨツハモガニ、シワオウギガニ、オウギガニ、イソガニ、ヒライソガニ、ショウジンガニなど キンセンガニ、ガザミ、タイワンガザミ、ジャノメガザミ、イシガニ、スナガニなど ハクセンシオマネキ、ヤマトオサガニ、モクズガニ、ケフサイソガニ、クロベンケイガニ、ユビアカベンケイガニ、フタバカクガニ、アシハラガニなど 
きょく皮動物 ヤツデヒトデ、ナガトゲクモヒトデ、バフンウニ、ムラサキウニ、マナマコなど ハスノハカシパンなど  
原さく動物 シロウスボヤ、イタボヤ、シロボヤなど    
魚類 アゴハゼ、ドロメ、ミミズハゼ、ナベカなど ホタテウミヘビ、ヒメハゼなど マハゼ、チチブなど

Q.垂直護岸や消波ブロック護岸にはどんな生き物がすんでいますか?

 A.基本的には岩礁の生き物と同じですが、地形が単調なため、種類数は多くありません。特に、大阪湾奥部は富栄養化によって種類数が少なく、 ムラサキイガイが多く生息しています。