大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

淡水魚図鑑(外来種)

魚類

カムルチー

カムルチー

本種はタイワンドジョウ科に属し、原産地はアジア大陸東部で、日本へは1923年頃 朝鮮半島から移入した。現在では本州、四国、九州の平野部の湖沼や河川に分布している。 府内では淀川水系、大和川水系、泉州諸河川や池沼で生息記録がある。
 府内には近縁のタイワンドジョウも生息するが体側に3列の暗色斑があるのに対し、カムルチーはやや大き目 の斑紋が2列に並んでいるので区別できる (タイワンドジョウとカムルチーの斑紋比較)(※1)。 水草の繁茂する水域に単独で生活し、肉食性で小魚やカエルなどを食べる。空気呼吸をするので汚濁した酸素の少ない水中でも生活することができる。産卵期は5~8月で、雌雄が共同で水草やゴミを集めて直径1mもある、ドーナツ状の「浮き巣」をつくり、その中へ浮遊性の卵を産みつける。卵は球形で直径1.9~2.0mmの、 2~3日でふ化する。 雌雄とも巣の下にいて卵と仔魚を保護する。1年で体長25㎝、2年で35㎝、4年で50㎝、最大85㎝ (20歳程度)の記録がある。普通2年で成熟する。

(タイワンドジョウとカムルチーの斑紋比較)

(※1)(タイワンドジョウとカムルチーの斑紋比較)