大阪府立環境農林水産総合研究所

[水産][報道]トラフグの稚魚を大阪湾に放流します 国や府県が連携した取組で漁獲量の回復をめざします

公開日 2023年07月13日

 環農水研水産技術センターでは、大阪湾の魚介類資源を増やすため、魚介類の稚魚を育てて、放流する「栽培漁業」を大阪府・公益財団法人大阪府漁業振興基金とともに推進しています。このたび、育成したトラフグが放流に適した大きさに成長しましたので、下記のとおり大阪湾に放流します。

 トラフグは昭和40年頃までは大阪府沿岸でも天然の個体が多く漁獲されていましたが、現在は年間で100キログラム程度と少なくなっており、瀬戸内海全域でも減少傾向にあります。そのため、国や瀬戸内海沿岸の府県が連携してトラフグを増やす取組が行われ、その一環として各地で稚魚が放流されています。大阪府でも平成27年度からトラフグの稚魚を育成して大阪湾に放流しています。

 水産技術センターは放流の技術的サポートを行っており、トラフグ稚魚に大阪府から放流したことが分かるように目印をつけ、関係各県と連携して移動経路や成長を調査しています。初夏に放流したトラフグ稚魚は、翌年の1月頃には全長25センチメートル、体重300グラム程度まで成長して大阪湾で漁獲され始めます。これまでの調査では放流から1年半後に全長37センチメートル、体重900グラムに成長した個体も確認されました。また、大阪府から放流した個体が、佐賀県の玄界灘で漁獲されたことも確認されました。

 大阪産(もん)トラフグが府民のみなさまの食卓に届くことを期待し、さらに調査をすすめていきます。

 

1 放流日時および放流場所

令和5年7月20日(木曜日) 11時00分から 大阪北港マリーナ
令和5年7月24日(月曜日) 11時00分から 貝塚市二色の浜

※ 作業の進行状況や当日の天候により日程を変更する可能性があります。

2 放流尾数

 各回とも8千尾程度

放流を待つトラフグの稚魚
全長70ミリメートル、体重8グラム程度

 

トラフグの飼育水槽

 

トラフグ放流イメージ

 

漁獲された放流トラフグ(令和4年11月漁獲)
(37センチメートル、900グラム、令和3年7月放流由来)

添付資料 

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