公開日 2012年10月15日
おおさかエコテック(環境技術評価・普及事業)
企業訪問・取材
“大阪発”新しい環境技術のさらに充実した情報をお届けします。
「おおさかエコテック(環境技術評価・普及事業)」で評価した“おおさか発”の新しい環境技術について、さらに充実した情報を皆様にお届けするため、企業を訪問して開発経緯やビジネス戦略等についてお話をお聞きしてご紹介いたします。
企業訪問インタビュー
最新の企業訪問インタビューです。<平成24年10月15日更新>
弘陽工業株式会社
平成20年度に資源循環に配慮した技術・製品分野でおおさかエコテック(ゴールドエコテック)の技術評価を受けた弘陽工業株式会社が開発した「酸性雨に強い55%アルミ亜鉛合金溶融めっき技術(ガルバリ55)」について、技術開発や営業に携わった方々に製品開発過程や現状と課題などについてお話を伺った。
-技術・製品の特長とその開発過程
弘陽工業株式会社では、ネジなどの締結部品製造をコア技術として、締結に類する金属製品の開発、製造、販売を行っている。
鋼板では高耐久性のアルミ亜鉛合金溶融めっきの技術が確立されていたが、締結部品にはその技術がなく、従来の100%亜鉛めっきの耐久性に不満を持つユーザーからのクレームが本技術開発の発端であった。また、当時のアルミ亜鉛合金溶融めっき処理では外観などの品質面に問題があった。
本技術ではフラックス処理時に特殊溶融フラックスを使用することにより、従来品よりも仕上がりの外観が良くなったことに加え、酸性雨にも強く、10~20倍の耐久性(防錆性)を達成した。
特殊溶融フラックスの使用により高温処理が必要になるため、従来品よりコスト高となるが、高耐久性であることから、交換頻度が少なくて済み、トータル的なコストは十分に回収可能であり、特に山間部の鉄塔や高速道路部材など交換作業に手間やコストを要する場所への採用は有効である。
なお、昨年、本技術は国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)にも登録された。
ガルバリ55処理を施した締結部品
-課題と今後の展開
従来品よりも高価格という点は課題であるが、前述のとおり、交換のスパンが長いというのは、かなりのメリットであり、価格を下げることは考えていないという。このことは本技術が確かなものであるということの自信の裏付けだろうと考えられる。
本評価を受けてすぐに大手のメーカーから連絡があり、今春から同社の物置の架台部分の部材に採用されたが、実のところ製品の普及についてはこれからというのが現状である。地道な営業活動や展示会への出展などを通じて、今後は長寿命で外観もよい“環境にやさしい”製品であることをどんどんPRし、更に普及を図っていきたいと担当者は意気込んでいる。
さらに、現在、太陽光発電用架台への採用の話も進んでいるとのことであり、普及は着実に前進していると感じた。
-おおさかエコテックの評価を受けて
エコテックの評価を受けてから、ロゴマークの入ったチラシや認定書を提示すると、営業時の門前払いはなくなり、確かな企業であるということの証として大いに利用されているということである。
塩田技術顧問(前列左)、合田営業顧問(前列右)と中上営業課長
会社概要
会社名
弘陽工業株式会社
創業
昭和11年
代表者
取締役 社長 中上 真一
所在・連絡先
大阪市中央区安堂寺町2丁目3番9号
tel 06-6762-0714
資本金
3,000万円
業務内容
鋲螺等金属加工製品卸売業
会社ホームページ
過去の訪問インタビュー
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■お問合わせ
環境情報部技術支援課
[TEL]06-6972-7634
[FAX]06-6972-7684