大阪府立環境農林水産総合研究所

[農林][報道]枯渇が危惧されるリンの安定確保に向けた循環モデルを創出します(豚ふんからのリン資源の回収実証に着手)

公開日 2013年09月12日

 当研究所では、日立造船株式会社(大阪市住之江区、以下、日立造船)を代表機関とするコンソーシアムに参画し、「豚ふん中の有用資源を循環利用する事業モデルの構築」に関する研究計画を農林水産省の「平成25年度農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業」に応募し、このたび採択が決定いたしました。

農業用肥料の原料として欠かせないリン鉱石は世界的に資源の枯渇が危惧されており、価格が高騰しています。本研究事業では、宮崎県小林市に実証機を設置し、豚ふん堆肥を炭化物にすることによりリン成分を濃縮して、リン肥料等の生産資材に変換する実証試験を行います。当研究所では、炭化物から作られた生産資材の有効性の確認と利用指針の作成を担当します。

 これにより大量に排出されている豚ふん堆肥から安全で肥料効果の高いリンが得られ、国内の肥料価格の安定と豚ふん堆肥中のリン成分の広域利用に貢献します。

 なお、本件につきましては、日立造船株式会社も報道資料提供を行っていますので、参考として添付します。

 

  • 豚ふん堆肥を炭化物にしてリン成分を濃縮する技術について

 堆肥化された豚ふんを無酸素状態で400~500℃に加熱することで炭化し、その粒子表面にリンを集積させます。その後、気流粉砕法によってリン濃度の高い炭化物を効率よく分離回収する技術で、日立造船株式会社が確立しました。この方法で得られた炭化物はリン鉱石の半分以上のリン濃度を有しています。

添付資料

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