公開日 2023年08月25日
2023年7月22日(土曜日)に、サクラの名所である花博記念公園 鶴見緑地(以下、鶴見緑地)においてクビアカツヤカミキリ調査「それいけ!クビアカバスターズ」を開催しました。
調査の結果、クビアカツヤカミキリは確認されませんでした!
鶴見緑地ではこれまでもクビアカツヤカミキリ(以下、クビアカ)は確認されていませんが、もし入り込んでいた場合、被害を最小限に防ぐための早期発見、早期対策が重要となります。
そこで今回、鶴見緑地のサクラを守るため、本調査を実施しました。
事前にお申込みいただいた参加者と保護者の皆さん、計11組26名にご参加いただきました。酷暑の中、調査にご尽力いただきありがとうございました!
今回のイベントは、
1.調査対象エリア内のサクラ・ウメ・アンズの木にクビアカやそのフラス、その他の昆虫が居ないか探す
2.クビアカやその他の昆虫は捕獲、クビアカのものと疑わしいフラスは写真撮影を行う
※クビアカはその場でエタノール固定する
3.調査終了後に、生物多様性センター職員が撮影されたフラスを識別
という流れで実施しました。
最初に、当センターの職員から、今回の調査の目的と、クビアカツヤカミキリの生態やフラスの特徴、サクラなどでよく見られるクビアカ以外の昆虫について説明しました。
その後、班に分かれて、調査対象エリア内のサクラなどを調べます。
見つけた昆虫は採集し、疑わしいフラスは撮影します。調べた木の本数も記録していきます。
現地でも木の見分け方を解説。
クマゼミがたくさん鳴く暑い日でしたが、鶴見緑地のサクラを守るために真剣に調査。
約1時間の調査を終え、再度集合。
当センター職員から、調査結果を発表します。
クビアカの成虫は確認されませんでしたがクビアカの疑いがあるフラスの写真は26枚でした。
確認の結果、今回確認されたものは幸い他のカミキリムシなどのフラスでした。
他のカミキリムシのフラス
幸いクビアカは確認されませんでしたが、サクラなどに集まるたくさんの昆虫を見つけることができました。
見つけた昆虫も当センター職員が解説しました。
今回調査した本数は、218本。
鶴見緑地のサクラ約1,400本のうち、6分の1ほどの本数を確認することができました。
今回の調査ではクビアカツヤカミキリのフラスは確認できず一安心だったものの、今回調査対象外であったエリアもあり、また、今回調査対象としたエリアにおいても、今後もクビアカツヤカミキリが入ってこないとは限りません。
そのため、当センターでは継続して市民の力を借りた調査を実施したいと考えています。
今回のイベントは、8名の生物多様性センターサポートスタッフの方にサポートいただきました。
また、「おおさか大阪生物多様性リンク」で当センターと連携している大和リース株式会社が代表企業である鶴見緑地スマイルパートナーズとの共催で、もし被害が見つかった場合にも迅速に対応できる体制を整えて実施しました。
みなさまのご参加、ありがとうございました!
クビアカツヤカミキリ
サクラやモモなどバラ科樹木の害虫。2011年に日本への侵入が確認され、2018年1月に特定外来生物に指定。サクラやモモの木に産卵し、ふ化した幼虫は木の内部を食い荒らすことで、木が衰弱し、やがて枯れてしまう。
被害の拡大が続けば、お花見ができなくなったり、モモが食べられなくなったりしてしまう可能性がある。
大阪府内では2015年の初確認以降、南部から分布域が急速に拡大しており、花博記念公園鶴見緑地への侵入が危惧される。
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担当:丸山・幸田・近藤
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