大阪府立環境農林水産総合研究所

[環境][お知らせ]「下水汚泥高速処理の実用化」に挑戦しています

公開日 2015年07月07日

下水処理場から排出される下水汚泥は、府内の廃棄バイオマスの約40%を占めており、減容化と再利用が求められています。しかし、府内での下水汚泥の利用率は約39%程度(平成24年)と全国平均の半分程度にとどまっています。

 

代表 的な下水汚泥の利用技術である嫌気性消化(メタン発酵)は、バイオガスを回収してエネルギー利用するとともに、汚泥を減容化させることができます。しかし、処理にかかる日数が30日程度と長いために、その間、汚泥を貯留する大規模な施設を要することが普及の障害となっています。

 

そこで当研究所では、従来の嫌気性消化の問題点を解決すべく、処理日数を短縮できる「下水汚泥高速処理技術」の開発に取り組んでいます。これまでに、実験室規模の装置で、汚泥の処理日数を大幅に短縮するシステムを開発しました(特許出願済)。このシステムが実用化されれば、コンパクトな施設で効率よく汚泥を処理できるようになり、エネルギー利用の推進にもつながります。今後は、実用化に向けたスケールアップを目指し、汚泥の処理効率とエネルギー回収率のさらなる向上を追及したいと考えています。

 


汚泥高速処理装置
汚泥高速処理装置

 

下水汚泥
下水汚泥

 

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