大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

淡水魚図鑑(外来種)

魚類

カダヤシ

カダヤシ

本種はカダヤシ科に属し、原産地は北アメリカ東南部。1916年に台湾経由で日本に持ち込まれた。 ボウフラをよく食べることから、”蚊を絶やす”すなわちカダヤシと呼ばれているように、1970年ごろ からボウフラ駆除のため日本各地に放流され、現在では平野部の水路や池に広く分布する。 府内でも猪名川水系、淀川水系、大和川水系をはじめ池沼・ため池などほぼ全域に生息する。
 水田や用水路、池や河川の下流域にある流れがおだやかな所の水面近くを泳ぎ、水面に落下した昆虫やミジンコ などのプランクトン、ボウフラなどを食べる雑食性。
 メダカと似るが、メダカはダツ目、本種はカダヤシ目に属し、尾ビレが丸く、尻ビレの形状が異なる(メダカとカダヤシの区別点)。 また、本種の雌雄は尻ビレの形状(※1)で容易に見分けることができ、オスの尻ビレは体内受精を行うため交接脚(ゴノポディウム)と呼ばれる特殊な構造をしており、メスの体内へ精子を送りこむことができる。 メスは特に大型化し(※2)、交尾により体内受精して100尾程度の 子供を産む(※3)。一方、メダカは子を産まず、卵を産む。
 水の汚れにも強く繁殖力も高いため、同じようなところに住んでいるメダカと競合し、駆逐している。生態系に与える影響が大きいため、 現在、本種の無許可の飼育・譲渡・運搬・放流等は外来生物法で禁止されている。

尻ビレの形状

(※1)尻ビレの形状

大型化し

(※2)大型化し

子供を産む

(※3)子供を産む