大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

淡水魚図鑑(在来種)

サ行

スナヤツメ南方種

スナヤツメ

ヤツメウナギの仲間は見た目が細長いのでウナギ、また本当の目と7つのエラあなを併せて“八個の目”をもつとして ヤツメウナギと呼ばれる。しかしウナギとは別の生き物で、分岐分類学に従うなら、魚類ともいえない。ヤツメウナギの属 する無顎類(円口類)は字のとおり顎のない一群で、魚や哺乳類など顎のある動物はこのような顎のない生き物から進化した。 ヤツメウナギの成体の口は吸盤状になっており、河床に張りついたりするのに役立つが 、エサは食べない。幼生はアンモシーテス(※1)とよばれ、目や口、エラあなも発達しておらず河川の中・下流の泥の中にもぐって 有機物やケイ藻を食べている。府内ではかつて猪名川水系や淀川水系で生息記録があるが、現在はほとんど生息していない。 産卵期は5-6月で、礫底にあつまって産卵する。本種は遺伝的に北方種と南方種に分けられ、大阪府には南方種が生息する。環境省レッドリスト2020「絶滅危惧Ⅱ類」。大阪府レッドリスト2014「絶滅危惧Ⅰ類」。

アンモシーテス

(※1)アンモシーテス