大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

淡水魚図鑑(在来種)

その他(府内には生息しない魚種)

ウシモツゴ

ウシモツゴ

本亜種はコイ科に属し、モツゴに近縁で、シナイモツゴと亜種関係にあるとされる。長野県、静岡県、愛知県、岐阜県、三重県に分布。モツゴよりも体高が高く、ずんぐりしている。また、シナイモツゴよりも頭部が大きい。体色は飴色で側線は不完全である。また、モツゴやシナイモツゴでは比較的明瞭な体側の黒色縦帯が、本亜種の場合、幼魚期にはさまざまな度合で出現するものの、全長30~35mm以上ではほとんど消える。産卵期のオスは黒みが増して、追星が現れる。
 平野部の池や流れのない用水路などに生息し、泥、腐食質が堆積して水生植物が繁茂するような場所を好むとされる。動物プランクトン・底生の小動物・付着藻類などを食べる。 産卵は3月下旬~7月で、オスは石や木の枝などの産卵基質に縄張りをつくり、メスを誘って産卵させる。産卵期のオスの争いは激しく、逃げ場がないと死に至る場合もある。オスは卵をふ化するまで守る。卵は受精後8日(水温20℃)でふ化し、ふ化後約1ヵ月で稚魚となり、満 1年あるいは2年で成熟する。本種は環境省レッドリスト2020で「絶滅危惧ⅠA類」に指定されている。