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淡水魚図鑑（在来種）

その他（府内には生息しない魚種）

マルタウグイ

本種はコイ科に属し、国内では東京湾および富山湾以北の比較的大きな河川に分布している。府内では生息記録がない。
　ウグイ属には、本種以外にウグイ、エゾウグイ、ウケクチウグイがおり、本種も含めていずれも姿形はよく似ているが、産卵期には婚姻色などで判別することが可能である。本種の婚姻色は雌雄ともに上アゴ直後から腹側に沿って1本の赤色縦条がでるのに対して、ウグイでは背側・側線・腹側に沿って3本の赤色帯が出る。また、エゾウグイでは赤くなるのは眼下部、胸ビレ、腹ビレ、尻ビレの根元付近で、特にメスでは眼下部以外はほとんど赤くならない。
　沿岸部や汽水域に生息し、小型の貝やゴカイなどを食べる。3-5月に河川に遡上し、礫底に群れで産卵する。ふ化後、しばらくは河川で生活するが、やがて降海を始めて全ての個体が海に下る。本種は大型化し、40～50cmにまで成長する。本州日本海側のマルタウグイは環境省レッドリストで「絶滅のおそれのある地域個体群」に指定されている。