大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

大阪湾の生き物図鑑

大阪湾の生き物

ヒョウモンダコ

ヒョウモンダコを見つけた時はご注意ください!!

(写真左)ヒョウモンダコ安静時 (写真右)ヒョウモンダコ興奮時

(写真左)ヒョウモンダコ安静時 (写真右)ヒョウモンダコ興奮時 

平成24年1月19日に府下の漁業者から仕掛けていた網にヒョウモンダコがかかっていたと報告がありました。足をのばしても10センチ以下と小さく、普段はうす茶色の地味な色をしています(写真左)が、興奮すると山吹色の体に鮮やかな青色の模様が出ます(写真右)。このタコは唾液腺にフグ毒と同じテトロドトキシンを持ち、かまれると最悪死ぬこともあります。見つけても絶対に素手でさわったり、捕まえたりしないでください。
 
 
ヒョウモンダコは主に暖海に生息しており、日本でも太平洋側では千葉県以南、日本海側では兵庫県以南のいずれも外海に面した場所で分布が報告されていましたが、平成10年に内海である大阪湾でも初めて確認されました。平成10年は大阪湾では例年に比べ高水温だった年で、暖海性であるヒョウモンダコが外海側から内海側である大阪湾へ入って来やすい状況であったと考えられています。
 
 
過去に大阪湾で採集されたヒョウモンダコを使って行われた飼育実験では水温が11℃より下がると餌を食べなくなり衰弱して死んでしまったことから、冬場の水温が例年9℃近くまで下がる大阪湾では外から入ってきたヒョウモンダコは越冬できずに死んでしまうのではないかと考えられています。
 
 
いずれにせよ、今後このタコを見かけたときは絶対に素手でさわったり、捕まえたりしないでください。