大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

水草図鑑(外来種)

植物

アゾラ

アゾラ

アゾラは浮葉性の水生シダで、アカウキクサの仲間を示す。“Azolla”はアカウキクサの属名であるため、 個々の種を指す場合には、アゾラ・~~のように表記する必要があるが、アカウキクサの仲間は判別が困難でアゾラとし て扱われることが多い。
外来性アゾラの本邦への本格的な導入は、アイガモ農法など農業へ利用が盛んになった1990年代からとされる。 観賞用の水草としても販売されていたが、流通量は少ない。 本邦に導入されたものは複数種あるが、府内での生息状況は不明である。 最近、淀川や大阪城堀などで問題になっているのは、中南米原産のアゾラ・クリスタータを農業用に改良した「雑種アゾラ」であるとされる。
アゾラはシダ植物であるため、花は咲かずに通常は胞子で増える。栄養が不足すると、強光下ではアントシアンによる 赤い色になる。一方、日陰や栄養状態の良いところでは緑色となる。真夏や真冬には赤くなる。
在来のアゾラとして、中部地方以南に分布しているアカウキクサA. imbricataとやや北のほうに分布するオオアカウキクサ A. japonica の二種がある。ともに現在は絶滅危惧種としてなっている。なお、アゾラ・クリスタータは外来生物法で 特定外来生物に指定され、栽培・移植放流・売買・譲渡・運搬などはすべて禁止されている。