大阪府立環境農林水産総合研究所

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アメリカザリガニ

アメリカザリガニ

<外来種>
 本種はアメリカザリガニ科に属し、原産地はミシシッピ川流域を中心とした北米。
 本邦への移入は1927年、ウシガエルの餌として持ち込まれたのが最初である。 ウシガエルの養殖池から逸出した個体が各地で定着し、1960年頃には九州まで分布域を広げた。水田、用水路、池沼など、 水深が浅くて流れのゆるい泥底の環境に多く生息する。 土に穴を掘り、夜になると餌を探す。冬は穴で冬眠する。食性は雑食性で、藻類、水草、魚類、両生類、昆虫、動物の死骸など何でも食べる。
 繁殖期は夏で、メスは直径2mmほどの卵を数百個産み、腹脚に抱えて保護する。子どもは孵化後もしばらくはメスの腹脚に つかまって過ごし、体内に蓄えた卵黄で成長する。体長8mmほどになると親から離れる。本種は水田の畦に穴を開け、イネの根を食い荒らすとして嫌われる。また、本種が侵入し繁殖した水域では水草や小動物が食害を受ける。生態系被害防止外来種リストにより、「緊急対策外来種」に指定されている。
 また、府内には生息しないが、滋賀県にはアメリカザリガニ同様にアメリカ原産のザリガニであるタンカイザリガニ(※1)が定着している。

タンカイザリガニ

(※1)タンカイザリガニ