大阪府立環境農林水産総合研究所

図鑑

甲殻類(エビ・カニ)図鑑

カニの仲間

チチュウカイミドリガニ

チチュウカイミドリガニ

<外来種>
 本種はワタリガニ科に属し、名前のとおり地中海原産の緑がかった色をしたカニである。ガザミやイシガニの仲間であるが、第4歩脚の先はオール状にならない。
 船舶のバラスト水等により世界中に運ばれ、本邦では1984年に東京湾で初めて記録されたが、1990年代には大阪湾にも分布が拡大した。現在は日本各地の内海に定着している。大阪湾周辺では1990年代より確認されている。汚染に強く、主に内海の沿岸部の潮下帯に多く生息する。河口部などでもしばしば見られる。塩分・温度耐性が高く、二枚貝、巻貝、多毛類、小型甲殻類などの生物を捕食する。なお、日本国内に侵入しているものは、チチュウカイミドリガニとヨーロッパミドリガニとの雑種であるとの説もある。生態系被害防止外来種リストにより、「その他の総合対策外来種」に指定されている。