大阪府立環境農林水産総合研究所

「サワラ」を増やす(3)

「サワラ」を増やす(3)

放流効果を調べる

サワラの放流効果を調べるためには、標識を着けて放流し、漁獲物の中にどの程度混入しているかを調べます。

現在、瀬戸内海では3種の異なる標識を着けて、どこで放流したものか区別できるようにしています。

標識着け

(標識着け)
孵化直後の仔魚をALCという色素を溶かした海水中に12時間程度泳がせます。

 

 

 


 

耳石の染色

(耳石の染色1)
ALCは主に耳石(じせき)という硬組織に沈着します。普通の光では見えないのですが・・・
(写真は仔魚の頭部。左向きで、眼球が大きく写っている。)

 

 

 

 

耳石の染色2

耳石の染色2
特殊な光を当てると光って見えます。

 

 

 

 

 

 

耳石の回収

(耳石の回収)
漁獲されたサワラの頭を割って、耳石を回収します。 (矢印付近の脳の下に耳石があります。)
この耳石でそのサワラが何歳なのかを調べ、さらに特殊な光を当てて観察し、放流した個体かどうかを調べます。

 

 

 

耳石の観察

耳石の観察
大きく成長しても、ALCは残っており、放流した個体と天然の個体を区別することが出来ます。(矢印は漁獲されたサワラから取り出した耳石の中心部にみられたALC染色。)
観察の結果から、大阪湾で何匹捕れているか等を計算し、放流効果等を推定します。

 

 

 

混入率調査の結果

大阪府に水揚げされた平成18年生まれの群れに含まれる放流魚の割合(他県で放流された個体も合わせた)は約50%でした。これは天然における発生量が少なかったことに加え、放流尾数が多かった事によると考えられます。

混入率調査の結果