「サワラ」を増やす(1)
「サワラ」を増やす(1)
サワラってどんなさかな?
魚偏に春と書いてサワラ。春を告げる魚として知られています。また、サワラは「狭腹」とも書き、2kg未満の若魚はサゴシ(狭腰)と呼び、どちらも細長い魚の意味です。
大阪湾で漁獲される魚の中では大型の魚の一つで、成長すれば1メートルを超えます。
分布
4月下旬から5月に卵を産みます。冬には太平洋側にいますが、春には産卵のため瀬戸内海に入ってきます。夏を瀬戸内海で過ごした後、秋には越冬のため、瀬戸内海から太平洋へと出ていきます(下図)。このため、春と秋に大阪湾を通過し、この時期に大阪では漁獲されます。
成長
卵からふ化した後、始めから他の魚の子供を食べ、1日最大4ミリ以上の速度で成長し、約40日で10センチにまで成長します。その後も成長は早く、半年で全長50センチとなり、秋には漁獲されます。
漁獲
大阪では主に流網と呼ばれる漁法で漁獲されます。大阪府におけるサワラの漁獲量は1983年をピークに減り続け、 1998年には3トンにまで落ち込んでしまいました。(下図)
そこで、紀伊水道~瀬戸内海に面する府県では協力して、平成14年からサワラを増やす取り組みを行っています。その一つとして、水産技術センターではサワラの子供を育てて放流する取り組みを行っています。