環境/淡水生物

環境/淡水生物

  1. 川や池などに淡水魚を放流したい。
  2. 淀川で見たことのない魚が採れた。ドンコのようにも見えるがなんとなく違う。
  3. ミズアオイの生態や花の見頃について教えてほしい。
  4. イタセンパラについて教えてほしい。
  5. タナゴ類の分類方法を教えてほしい。

Q1 川や池などに淡水魚を放流したい。

川や池などに淡水魚を放流しないでください。

コイやフナを放流すると、捕食や競合などがおこり、在来の多くの魚の生態系に悪影響を与えます。また、近縁種と交配し、遺伝、形態、生態的に変化します。さらに、種内の(遺伝的)多様性が損なわれ地域環境への適応度が下がるなどの事例も明らかになってきました。

日本魚類学会でも「魚類の放流ガイドライン」を定め、生物多様性保全のために安易な放流は慎むべきと提言しています。

特にコイの放流については平成15年10月以降に発生したコイヘルペスウイルス病により、大阪府内水面漁場管理委員会(注)により、川や湖などの公共用水面からの持ち出し放流の禁止などのまん延防止策が指示されています。

内水面漁場管理委員会:内水面における水産動植物の採捕及び増殖に関する事項を処理するために都道府県に設置される行政委員会

なお、淡水魚を増やす手段としては、放流よりもその魚の減少原因を明らかにし、環境改善や産卵場の造成等改善方策の実行とともに啓発などを継続的して行うほうが有効な場合が多いです。

Q2 淀川で見たことのない魚が採れた。ドンコのようにも見えるがなんとなく違う。

カワアナゴです(写真)。

淀川では比較的珍しい魚種で、普通は汽水域(注)に多く生息します。”アナゴ”とついていますが、海にいるアナゴとはまったく異なる種類で、やはりドンコに近縁です。大阪府レッドデータブックでは「情報不足」になっていますが、泉州方面の河口には普通に生息すると聞いています。生物多様性センターでも庭窪取水場の沈砂池で採取した個体を飼育しています。

(注)汽水域:河口部などの淡水と海水がまじりあった塩分の少ない水がある区域。

カワアナゴ

Q3 ミズアオイの生態や花の見頃について教えてほしい。

ミズアオイは全国各地の湖沼河川、水路などの浅場や水田などに生育する抽水性一年生植物です。
近年、水田の宅地化、用水路の改修、農薬の散布等で姿を消した地域が多くなっています。
雑草化している北海道を除いて、希少種として扱われ、環境省レッドデータブック絶滅危惧2類、大阪府レッドデータブック絶滅危惧1類に指定され、大阪府での生育地は数ヵ所に限定されています。
2004年9月、寝屋川市の用水路でミズアオイの生育地が新たに見つかり、生物多様性センターでは市民団体等と保全活動を行ってきました。


ミズアオイは万葉時代から主要な野菜として親しまれ、ナギ、ミズネギ、ウキアオなどと呼ばれ、茎葉部を食料としていたようです。
花期は6月下旬から10月下旬で花弁は6枚で青紫色の花が咲きます。8月上旬から9月中旬頃が見頃です。
花が咲き終わると、長さ1cmほどの果実ができ、中に長さ1mmあまりの楕円形の種子ができ、成熟すると土の上に落下します。田んぼでは稲が実るころには水がありませんが、翌年の田植えの頃に水が張られ、それが刺激になって発芽し、生育していきます。種子には休眠性があります。

ミズアオイの花

 ミズアオイの花

Q4 イタセンパラについて教えてほしい。

イタセンパラはコイ科タナゴ亜科に属する淡水魚で、琵琶湖・淀川水系(ただし、琵琶湖そのものを除く)・濃尾平野・富山平野に分布しています。
昭和49年に天然記念物(文化庁・文化財保護法)に、平成7年に国内希少野生動植物種(環境省・種の保存法)に指定されました。
大阪府内では淀川のワンドに生息しており、その可憐な姿などから“淀川のシンボルフィッシュ”とされています。しかし、近年激減して絶滅の危機に瀕しており、環境省レッドリスト絶滅危惧1A類、大阪府レッドリスト絶滅危惧1類に指定されています。

イタセンパラの属するタナゴの仲間は、生きた二枚貝に産卵するという特殊な生態をもっています。産卵の際には必ず出水管から貝の体内に卵を産みこみます。そのため、産卵期(イタセンパラでは秋)には、メスは卵を産みこむための産卵管を伸ばします。一方、婚姻色に染まったオスは貝の周囲になわばりをはって、他のオスを追い払いながらメスの産卵を誘います。メスが産卵すると、オスはすかさず貝の入水管付近で放精し、卵は貝の体内で受精します。

イタセンパラは受精後約1週間でふ化し、仔魚は貝の中で約7ケ月をすごして、翌年4~5月に貝の出水管から泳ぎ出ます。ふ化直後の仔魚は眼や口、ヒレのないウジ虫のような形をしており、貝から出るまでゆっくりと成長します。貝の中での発育には、低温への大きな温度変化を必要とします。このような生態は、日本の冬の気候に進化適応したものと考えられます。また、貝から出た後の成長は早く、その年の秋には産卵します。

イタセンパラの生息する淀川のワンドは、タナゴの仲間をはじめ多くの淡水魚が生息する水域ですが、近年は外来種の増加など環境が大きく変化して、在来種が減少しています。イタセンパラやイチモンジタナゴ、アユモドキ、ツチフキ、スジシマドジョウなどは近年まったく姿を見ることができない状況になっています。

そこで、大阪府環境農林水産総合研究所 生物多様性センターでは、保全池を設置するなどしてイタセンパラの保護に取り組んでいます。

産卵期のイタセンパラ 左;メス右;オス

Q5 タナゴ類の分類方法を教えてほしい。

大阪府内でよくみられるタナゴ類には、カネヒラ、シロヒレタビラ、タイリクバラタナゴなどがあります。
大阪府環境農林水産総合研究所 生物多様性センターのホームページに大阪府産淡水魚検索図鑑(分類方法)を掲載しておりますので、一度チャレンジしてみてください。
それでも判らなければ、生物多様性センターに写真をお送りいただければ、お教えできます。

カネヒラ

カネヒラ

シロヒレタビラ

シロヒレタビラ

タイリクバラタナゴ

タイリクバラタナゴ

 

 
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