大阪府立環境農林水産総合研究所

[農林][報道]微生物生存率90%以上の乾燥技術を開発 乳酸菌粉末などが低コストで大量生産可能に

公開日 2015年03月30日

 当研究所では、乳酸菌などの微生物を生きたまま、高速に粉末化する方法を開発しました。

 

 生きた微生物の乾燥粉末化技術は時間のかかる真空凍結乾燥(フリーズドライ)法が主流でした。
 しかし当研究所では、短時間で連続的に液体を乾燥できるパルス燃焼式乾燥法(注1)に注目し、この方法で微生物を生きたまま粉末化する技術開発を行ってきました。平成22年には乾燥時にスキムミルクと糖類を加えることで、乾燥後の微生物の生存率を乾燥前の60%程度に保持できることを示し、特許を取得しました。(特許第4630071号)

 

 今回は、スキムミルクや糖類に加えアスコルビン酸(ビタミンC)などの物質を使用することで、生存率を90%以上にまで高められることを明らかにしました。この成果は現在特許申請中(特開2013-192490)で、低温生物工学会誌60巻2号(2014年10月発行)等に発表しております。

 

 乳酸菌などの微生物は食品のほか、環境浄化や土壌改良の目的で大量に使用されます。今回開発した技術を活用すれば、生きた微生物の乾燥粉末の大量製造を低コスト化することが可能となり、食品や農業などの分野での微生物利用の拡大が期待されます。

 

(注1) パルス燃焼式乾燥法 小型のジェットエンジンが発生する衝撃波と熱風を液体に当て、瞬時に乾燥する方法

 

添付資料

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