大阪府立環境農林水産総合研究所

本田管理 その5

本田管理 その5

水管理
<代かき時>

土壌条件により入水、代かきの時期を調整し田植時に田面の土の硬さがヨウカン状になるようにすると浮き苗がでにくく活着もいい。

<活着期>
活着とは、田植した苗から白い新しい根が出た状態。おおよそ田植え7日後です。植え傷みによって活着が遅れることが多いので、活着するまで深水管理とし、その後浅水管理とします。高温時の完全水没苗は3日程度で枯死することがあるので田面の均平が重要。

<生育初期>
浅水管理を基本とするが、除草剤散布後最低3日は、水が動かず田面が露出しない水位が必要なので除草剤散布時には水位を調整する。

<<中干し>>
根の活力維持、肥効の調整、倒伏防止、収穫作業の能率向上のために重要な作業である。
基本的に有効分けつ終期の出穂40~30日前に行う。土質によるが約1週間くらい干す。
中干しの程度は土質によって若干異なるが、表面水が消え、軽く足跡が着くくらいで少し亀裂が入る程度でよい。バリバリに干しあげると田面が堅くなり以後の作業は楽だが、断根で稲が弱る。ただし過繁茂気味の時や強湿田では強めに中干しすることもある。

<中干し後の入水>
中干し後、入水するときは根圏環境の急変を避けるため、一気に深水で溜め込まず、間断灌漑で徐々に水を戻す。

<穂肥時の水管理>
中干し後、入水して水を戻したら、そろそろ穂肥の時期である。肥料濃度障害を避けるため、穂肥施用時にはある程度の水量が必要である。

<台風・暴風時の水管理>
台風などの暴風に曝されるときは、根から吸い上げる水が葉から蒸散する水に追いつかず、水はあるのに脱水症状を起こし、葉先がオレンジ~茶色に褐変することがある。特にフェーン現象と言われる、風が山肌にあたり、その風が山越えをして下降気流として降りてくる暖かくて乾いた風が吹くと被害が大きい。これは田の水をたっぷり溜めていても起こりうる障害である。根張りの差や田の地形による風速の違いなどで被害に差が出る。
中山間部では病気と間違われることが多いので注意。

<幼穂形成期~穂ばらみ~出穂期の水管理>
穂ばらみ~出穂期には、稲の生育期間中で最も水が必要な時期である。もしこの時期に水切れになると穂が出すくみ途中で止まってしまうなど、深刻な干害を起こすことになる。
昔からこの時期の水は「花水」と言われ、やや深水にして急激な環境変化を与えないようにする必要がある。

<登熟期~成熟期の水管理>
出穂から10日過ぎ、登熟期に入ったら、間断灌漑に戻し、残暑と稲体の老朽化による根腐れを回避し、登熟に必要な水分・養分をできるだけ供給できるようにする。
台風が接近しているときなど間断灌漑で水切れしているとフェーン風に焼かれて白穂になることもあるので、予防策として水を溜める必要がある。

<落水>
落水が早いほどほ場が乾燥し、機械収穫作業がしやすくなるが、稲の生育的にはギリギリまで水があった方が良いので、ほ場の土質や作業体系を考えて、最適な落水時期を決定する。
出穂後25~30日は最低でも水を溜めよう。
落水後でも、収穫までに異常に乾燥が進むと過乾燥で胴割れ米等の発生原因になるので、そのような時は走水を入れると良い。

水稲水管理の基本チャート