農林分野 安全で豊かな食と農を支える調査研究

本田管理 その2

本田管理 その2

水稲の施肥ー土つくり~土壌改良資材、レンゲ鋤込み、堆きゅう肥
<土壌改良資材>

泉州、南河内地域等大和川以南地域を中心に遊離酸化鉄や珪酸の欠乏した水田が多く、「秋落ち」の原因になっていることが多いのでケイカル、ようりん、ミネカル等の土壌改良資材の施用が有効である。なお、ほとんどの資材は石灰質アルカリ資材であるので、併用するときはそれぞれ量を減らして土壌pHを上げすぎないように注意する。

ケイ酸質資材(ケイカル等)

水稲はその茎葉中にケイ酸を10~20%含んでおり、植物の中でも特にケイ酸含量の多いものになる。大部分は茎葉の表皮細胞に蓄積されケイ質化(ガラス化)する。これにより稲の茎葉は硬くなりいもち病菌をはじめとした病原菌の進入を防ぎ、対倒伏性も高くなっている。また根の発育にもケイ酸が大きな働きをしており、重要な要素となっている。ケイ酸は灌漑水からも供給されるし、前年の稲わらや籾殻からも還元されるが不足分はケイ酸質資材の施用で補ってやる必要がある。施用量の目安はケイカルの場合で100~200kg/10aであるが、秋落ち傾向の水田や砂質土壌の水田では150~250kg/10a程度に増量する。

含鉄資材(ミネカル等)

中山間部や大和川以南地域等の秋落ち傾向の水田や都市汚水流入水田では強還元状態での根腐れを防ぎ、秋落ちを回避するため転炉さい(ミネカル等)を施用する。施用量の目安は120~200kg/10aである。鉄分はほ場の作土の下の方に沈降しやすいので、冬の間に天地返し耕等を行って、鉄分を上に戻してやると良い。

リン酸資材(ようりん等)

有効態リン酸の少ないほ場ではく溶性(酸で溶け出す)リン酸であるようりんを施用すると良い。施用量の目安は40~80kg/10aである。

<レンゲ鋤込み>

秋から春にかけて水田でレンゲを栽培し、春に鋤き込むことで化学窒素肥料の代わりとし、エコ栽培に取り組んでいる例が府内各地で増加している。
レンゲはマメ科作物で根粒菌による空中窒素固定能力があり、作物体窒素含量が高い割に炭素率(CN比)が低く分解が早いので肥料代わりに使いやすい特徴があります。
10aあたり1tのレンゲ生草を鋤き込むと府内で標準的なほぼ6kg/10aの窒素肥料を基肥に施用したのと同等の肥料効果が期待できます。
ただし同じ地域であってもほ場によりレンゲの生育量にはかなり差があり、多すぎる場合は持ち出しを、少なすぎる場合は他の肥料での補充が必要です。
また、鋤込み直後に入水し田植えを行うと土中のレンゲが一気に分解して土壌が酸欠の強還元状態に陥り、ガスが発生するなどして生育障害を起こす恐れがあるので、少なくとも入水1ヶ月前には鋤込みを完了しておかなければならない。田植え後も土中の未分解物を考慮して水を張りっぱなしではなく、間断灌漑や中干しをしっかり行って生育障害を回避する。
レンゲの肥効は穏やかに出てくるので生育初期に肥効が不足することがあるので1~2kg/10a程度の即効性窒素肥料を補っておくのも良い。また万能肥料ではないのでリン酸成分のの不足を補う意味で過リン酸石灰等のリン酸肥料の補充が必要である。エコ水稲栽培を行う場合は有機農産物栽培への使用が許されている「ようりん」の利用も良い。

<深耕の効果>

水田の作土深は年々減少しがちである。昔のように唐鋤で深耕することもなくなったので深耕を心がけていないと作土の浅層化は防げない。浅い作土では根の伸長阻害、吸肥力低下、高温障害耐性の低下、倒伏等デメリットが多い。目標作土深15cm以上をクリアできるように深耕を行う。

<稲わらの還元>

稲わらの還元

水田に堆きゅう肥等の有機物を還元すると土作りに良いということは誰もがわかっていることですが、現在の府内の状況では堆きゅう肥を大量に施用可能な環境にある水田は極限られている。そこでどんな水田でも得られる有機物である稲わらを無駄なくほ場に還元し、最大の効果を得られるようにしましょう。稲わらにはケイ酸も大量に含まれているのでこれも回収できます。
水田10aあたりの稲わらは400~1,000kg程度得られます。500kg/10aの稲わらをロス無く効果的に還元すれば、堆きゅう肥1t/10aの投入に匹敵する効果があると試算されています。
近年はコンバイン収穫がほとんどなので、稲わらはカッターで裁断された状態で全量がほ場に散らばります。稲刈り後出来るだけ早く腐熟促進のために石灰窒素15~20kg/10aを散布してから稲わらを鋤込みましょう。春先にもう一度耕起しておけばさらに良い。
なお、冬に裏作野菜を作付する場合は野菜に生育障害が出てはいけないので、石灰窒素でなく硫安10~15kg/10aまたは尿素5~7kg/10a施用にすると良い。
<堆きゅう肥の施用>
府内では畜産農家の減少で大量の堆きゅう肥を安価に入手することが難しくなっているが、堆きゅう肥には化学肥料では得られない長期的な地力維持増進効果があるので可能であれば良質な堆きゅう肥を確保して積極的にほ場に還元すべきである。
牛ふん堆肥の水田施用量の目安は1~2t/10aである。完熟堆きゅう肥であれば問題は少ないが、堆きゅう肥は冬~春のできるだけ早い時期にほ場に施用して耕起混和しておく必要がある。未熟堆きゅう肥の場合は特に注意が必要である。入水田植え後、未熟有機物の分解が始まると土中が強還元状態になり、根腐れや生育障害等が発生する恐れがある。


<堆きゅう肥の施用>

府内では畜産農家の減少で大量の堆きゅう肥を安価に入手することが難しくなっているが、堆きゅう肥には化学肥料では得られない長期的な地力維持増進効果があるので可能であれば良質な堆きゅう肥を確保して積極的にほ場に還元すべきである。
牛ふん堆肥の水田施用量の目安は1~2t/10aである。完熟堆きゅう肥であれば問題は少ないが、堆きゅう肥は冬~春のできるだけ早い時期にほ場に施用して耕起混和しておく必要がある。未熟堆きゅう肥の場合は特に注意が必要である。入水田植え後、未熟有機物の分解が始まると土中が強還元状態になり、根腐れや生育障害等が発生する恐れがある。

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