大阪府立環境農林水産総合研究所

降雪対策

降雪対策

積雪の可能性がある場合は、下記の対策に努めてください。

1. 野菜・花き

露地野菜・花き

<事前対策>

  • 立体性(豆類等)のものは支柱を強化しておく。
  • うねは高うねにして、融雪水による湿害を防ぐ。

<事後対策>

  • トンネル栽培では早めに除雪を行う。
  • 雪解け後は、地上部病害の早期防除を行う。
  • 融雪水の排水に努め、湿害に注意する。
  • かぶった雪を崩して外気を入れると地面で凍結するので、雪を除いて収穫する場合には、多方から掘り出さないで一方から順次掘り出す。また、キャベツ、はくさい、だいこん、にんじん等が雪をかぶった場合は、積雪面よりも内部の温度が高い場合があり、保温冷蔵状態になり凍害を受けることが少ない。
  • カリフラワー、ブロッコリーのように立性のものは、雪の重量で茎葉が折れるので堀り出す方がよい。
  • 融雪後は、防寒対策に努める。
施設野菜・花き

<事前対策>

  • ハウスやトンネル等では積雪による破損、倒壊等を防止するため、施設の点検に努め必要に応じ補強や補修等を行う。もし、倒壊破損した場合には、早急に事後対策を実施する。
  • 積雪時には、施設内の温度を高め、積雪の自然落下を促進するほか、雪下ろしや、施設周辺の除雪等の対策を講ずる。
  • 加温施設のある場合は、暖房機の空気給排気口が雪で詰まらないようにする。また、給排気口が雪で詰まった場合は、換気に努める。

<事後対策>

  • 倒壊部に積もっている雪を除き、光線の投下、積雪加重や圧力の低下をはかり、ハウスの復旧にかかる。
  • ビニールの破損部を補修するとともに、保温資材、寒冷紗などにより、トンネルまたは直がけ被覆をして寒風を避け、低温障害、寒害、凍結害を防止する。
  • 低温による生育抑制、低温感応による花成、果実に悪影響を及ぼすものについては、加温あるいは多層被覆できれば被害を軽減できる。
  • 融雪に伴い、地表面の水分が多く、湿害と凍害の恐れがあるので周辺の排水をはかる。
  • 苗床などの生育中のものに周辺から雪解け水が入らないように、除雪と排水をはかる。
  • 融雪を促進するため、木炭、モミガラ燻炭等の融雪促進剤を散布する。
  • 根や地上部の生育が弱り、軟弱徒長気味で病菌の進入が容易となり、病害の発生が予想されるので、湿度管理に注意するとともに薬剤防除を行う。
  • 気温の上昇を待って、できるだけ早く中耕および施肥に行い、生育促進を図る。

2. 果樹

<事前対策>

  • 幼木・若木は被害を受けやすいので、枝を束ねて結んでおくとともに支柱等による補強を行う。
  • 雪害により枝折れのおそれのあるところでは枝への支柱や、枝つりを行う。また、果樹棚や施設の支柱を補強する。
  • 成木では降雪前に粗剪定を実施しておく。
  • 主枝の分岐角度を広くとり、積雪にも耐える樹形としておく。
  • 融雪時の滞水で湿害を受けやすいので、排水対策を講じておく。
  • 加温ハウス栽培では、積雪が予想される場合は、ポリダクト先を内張フィルムの上に上げ、融雪を促す。

<事後対策>

  • 折損を受けた枝は早急に整理して、傷口を接ろうやペースト剤で保護する。
  • 枝裂け等の軽い場合はボルト、カスガイ等を使って損傷部の癒合を図るとともに樹勢に見合った着果量とするよう留意する。また、カミキリムシや紋羽病は衰弱樹での発生が多いため、樹勢の維持に努める。
  • ハウスやぶどう棚などの施設は、積雪による倒壊のおそれがあるため、積雪時に施設内に立ち入る場合は十分に注意する。
  • ぶどうハウスの降雪対策    
  1. 発芽していないハウスでは、ビニールを開いて積もっている雪を落とす。(場合によってはビニールを切ることも必要)
  2. すでに新梢が伸長しているハウスでも、積雪が多い場合はビニールを開いて、できるだけ雪をかき降ろし、直ちにハウスを閉め保温に努める。(ハウス内の雪はできるだけ早く外へ運び出す。0℃以下にならなければ、ぶどうに障害はない。)
  3. 加温ハウスの場合は、内張を開いて温度を上げるか、雪の降り始めにポリダクト先を内張フィルムの上に上げ、融雪を促す。なお、ハウス内温度は20℃以上を保持するように努める。