大阪府立環境農林水産総合研究所

[環境][お知らせ]おおさかエコテック 企業インタビューを行いました(日本メンテナスエンジニヤリング株式会社)

公開日 2013年03月29日

 平成22年度に資源の有効利用に配慮した技術・製品分野でおおさかエコテックの技術評価を受けた日本メンテナスエンジニヤリング株式会社が開発した「長寿命化に対応 した光触媒防汚コーティング液 作空良(sakura)WT-06」について、営業担当の松下販売課長と技術開発担当の三好主任(工学博士)に製品開発過程や今後の展開などについてお話を伺った。

製品技術とその開発の概要

 日本メンテナスエンジニヤリング株式会社は、水処理施設の維持管理を行う専門技術会社として1968年設立以来、幅広い分野でのメンテナンス業務から、施設の各種工事、環境に関する製品開発・調査分析、コンサルティングサービスまで行う環境の総合エンジニアリング企業である。

 その同社が既存住宅への省エネルギーの対応をはじめ良好な景観の維持、さらに長寿命化を実現できる技術として、光触媒に着目し、新規機能の付与に成功した。従来の光触媒では、紫外線下のみで防汚性能を有していたが、同社は、独自の技術により紫外線のみならず可視光線の光エネルギーでも防汚性能を有する低次酸化チタン光触媒を開発した。また、ひび割れ防止機能の付与にも成功し、従来の光触媒の課題であったひび割れによる部材のさびや腐食の発生を抑え、長寿命化を実現した。  

 また、この光触媒は、同光触媒を塗布した石材が未塗布の石材よりも高温になっている現象から、赤外線吸収効果を有しているということが分かった。

 同社は、この性能から遮熱効果に期待し、ガラス窓の内側に塗布したところ、その室内の床面の温度は未塗布の場合と比べ、約4度の遮熱効果があることが分かった。また、その理由については現在研究中であるが、赤外線吸収による窓の温度上昇は見られないことは分かっている。また、冬場においても、あるバインダーを添加することにより室内温度の低下を防ぐ技術を開発済みである。

 この技術は資源の有効利用に配慮した技術であることに加え、東日本大震災以降、エネルギーのひっ迫した状況が続き、節電や省エネの取り組みが推進される中、節電・省エネ対策の一つとしても十分期待できるものであろう。

光触媒防汚コーティング液
光触媒防汚コーティング液

課題及び今後の展開 

 課題としては、光触媒自体の価格は高価ではないものの、被塗布物の洗浄や施工による品質管理および工事費をいかに低減するかであったが、これについては最近画期的な方法を開発し、これらの課題はほぼ克服されたとのことである。

 また、技術の普及を図るため、従来のメンテナンス業務においてサービスとして提供し、技術の良さを実感してもらうことなどにより、公共機関を始め徐々に広がりつつあるが、今後更なる普及を図っていきたいとのこと。

 また、おおさかエコテックの評価を受けてから、同社の信用が向上し、営業がよりスムーズに行えるようになったとのことである。

 現在、更なる光触媒の開発を行うとともに、新たな技術で、おおさかエコテックの技術評価を受けることを目指し、10名の開発者が研究に邁進している。

松下販売課長(左)と三好主任(右)
松下販売課長(左)と三好主任(右)

会社概要

会社名 日本メンテナスエンジニヤリング株式会社
会社設立 昭和43年8月
代表者 取締役社長 岡原 貢
所在・連絡先 大阪市北区同心1-7-14
tel 06-6355-3000
資本金 6,000万円
業務内容

メンテナンス業務、エンジニアリング業務、環境調査分析業務など

会社ホームページ http://www.jme-net.co.jp/

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