環境分野 快適な環境や生物多様性の保安全を支える調査研究

[環境][報道]淀川でイタセンパラの稚魚を確認しました

公開日 2012年07月13日

○当研究所では、国土交通省 近畿地方整備局 淀川河川事務所と共同で、淀川水系で野生絶滅に近い状態に陥っているイタセンパラ(国指定の天然記念物、国内希少野生動植物種)の野生復帰に取り組んでいます。

○昨年秋に、淀川に親魚を500尾放流し、野生復帰を行った結果、今春に216尾の仔稚魚が確認されました。

○確認された仔稚魚の個体数は野生に定着するには充分とは言えませんが、順調に成育しており、秋には成熟・産卵し、生活史を全うする可能性があります。

○記者説明会を下記のとおり行います。

開催日時:

平成24年7月13日 14:00より

開催場所:

大阪マーチャンダイズマートビル(OMMビル)2階 2号会議室
(住所 大阪市中央区大手前1-7-31)

※密漁防止の観点からお答えできない事柄(生息場所や調査方法など)がありますのでご理解とご協力をお願いします。

 

○問い合わせ先

大阪府立環境農林水産総合研究所 水生生物センター
主幹研究員 上原一彦 (うえはら かずひこ)
電話  072-833-2770

国土交通省 近畿地方整備局 淀川河川事務所
工事品質管理官 佐久間 維美 (さくま まさみ)
電話  072-843-2861

○同時提供

国土交通省 近畿地方整備局 淀川河川事務所 : 近畿建設記者クラブ

昨年秋のイタセンパラ野生復帰後の状況報告

●昨年秋に淀川に放流したイタセンパラが産卵し、今春その仔稚魚の誕生が確認されました。
  淀川への2度目のイタセンパラの野生復帰は、その産卵期である昨年(2011(平成23年)の秋に成魚500個体を放流しました。今年(2012(平成24)年)5月に二枚貝から浮出するイタセンパラの仔稚魚の出現状況について調査した結果、放流場所付近でおよそ216個体の生息が確認されました(写真)。淀川での確認は2年ぶりとなります(図1)。

写真1 淀川で確認されたイタセンパラの仔稚魚(2012(平成24)年5月14日(左))写真1 淀川で確認されたイタセンパラの仔稚魚(2012(平成24)年5月31日(右))
写真1 淀川で確認されたイタセンパラの仔稚魚(2012(平成24)年5月14日(左)、5月31日(右))

図1 淀川におけるイタセンパラ仔稚魚の確認個体数の経年変化
図1 淀川におけるイタセンパラ仔稚魚の確認個体数の経年変化

●前回(2009(平成21)年)の野生復帰では、放流直後および仔稚魚の浮出直後に大きな増水が発生し、イタセンパラの産卵母貝の流出・埋没や、遊泳力に乏しい仔稚魚が流出した可能性がありました。そのため、今回の放流前に環境改善すべく、大きな増水が発生してもイタセンパラなどが流出する可能性を小さくするように整備を行いました。その結果、再導入場所は、産卵期から6月中旬まで増水の大きな影響を受けることがありませんでした。

●確認されたイタセンパラの仔稚魚は、個体数が少ないながらも、順調に成育しており、秋には成熟・産卵し、生活史を全うする可能性があります。
 イタセンパラの仔稚魚は、浮出を確認した当初の5月11日では全長1cm未満でしたが、稚魚が潜行していく時期の5月末には全長2cm前後にまで成長していることが確認できました(図2、図3)。ここまで成長すれば、遊泳力も十分に備わり、増水があっても元の水域付近にとどまる可能性があります。したがって、秋の産卵期まで順調に成長すれば、次世代の誕生が期待されます。それは野生で誕生した個体が生活史を全うすることであり、淀川のイタセンパラ復活に向けて大きく前進することとなります。
 しかしながら、放流した個体数(500個体)に対して仔稚魚の個体数が半数程度であったことから、今後も野生復帰にむけた課題を検討していく必要があると考えています。

図2 イタセンパラ仔稚魚の平均全長の推移
図2 イタセンパラ仔稚魚の平均全長の推移

写真2 イタセンパラ仔稚魚の大きさの推移
写真2 イタセンパラ仔稚魚の大きさの推移

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水生生物センター

担当:上原一彦

[TEL]072-833-2770

[FAX]072-831-0229

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