大阪府立環境農林水産総合研究所

生息確認魚種と分布 2012年度

淀川調査結果報告2012

環境研究部 水生生物グループ (水生生物センター)

 淀川では外来水生植物の大量繁茂とともに、オオクチバスやブル-ギル等の外来魚の繁殖が著しく、水域環境の悪化や在来水生生物の食害など、在来魚の生息に大きな脅威を与えるようになり、天然記念物イタセンパラは絶滅の危機に直面しました。その後、淀川の在来水生生物の生息環境を改善するため、これら外来種の駆除が開始され、在来魚の生息環境が整備されたワンド群でイタセンパラの野生復帰の試みが実施されました。その他、ワンド倍増計画によって流域の数カ所に人工ワンドが増設されました。このような状況の中、当所では外来魚駆除効果の把握及びイタセンパラの放流適地選定の一助とするための調査を実施しました。

 

<参考文献>

内藤馨・石橋亮・金丸善紀・宮下敏夫.2014.淀川淡水域における魚類相の現状.地域自然史と保全,36(1):41-52.

 

 

 

生息確認魚種と分布2012
  全域(本流+ワンド)   本流 ワンド
魚種 尾数 比率(%)   尾数 比率(%) 尾数 比率(%)
コウライニゴイ 1505 17.37   313 13.31 1192 18.88
フナ類* 1381 15.94   409 17.39 972 15.39
オオクチバス 1179 13.60   92 3.91 1087 17.22
ブルーギル 1064 12.28   189 8.04 875 13.86
オイカワ 1018 11.75   531 22.58 487 7.71
モツゴ 843 9.73   29 1.23 814 12.89
カネヒラ 658 7.59   311 13.22 347 5.50
コウライモロコ 302 3.48   202 8.59 100 1.58
タイリクバラタナゴ 225 2.60   202 8.59 23

0.36

カマツカ 150 1.73   48 2.04 102 1.62
コイ 93 1.07   6 0.26 87 1.38
タモロコ類* 73 0.84   - - 73 1.16
ハス 63 0.72   6 0.26 57 0.90
イタセンパラ 30 0.35   - - 30 0.48
ヨドゼゼラ 27 0.31   - - 27 0.43
ワカサギ 11 0.13   - - 11 0.17

カワヒガイ

8 0.09   2 0.09 6 0.10
シロヒレタビラ 7 0.08   - - 7 0.11
ボラ 7 0.08   3 0.13 4 0.06
ヨシノボリ類* 6 0.07   3 0.13 3 0.05
カワムツ 5 0.06   5 0.21 - -
ヌマチチブ 2 0.02   - - 2 0.03
コクチバス 2 0.02   - - 2 0.03
ワタカ 1 0.01   - - 1 0.02
マハゼ 1 0.01   1 0.04 - -
ドジョウ 1 0.01   - - 1 0.02
ナマズ 1 0.01   - - 1 0.02
ビワコオオナマズ 1 0.01   - - 1 0.02
タウナギ 1 0.00   - - 1 0.02
カムルチー 1 0.00   - - 1 0.02
合計 8666     2352   6314  
  全域(本流+ワンド)   本流 ワンド

赤文字の魚種は外来種(国内移入種,亜種を含む)。
*フナ類にはゲンゴロウブナギンブナを含みます。

*タモロコ類には、ホンモロコタモロコを含みます。

*ヨシノボリ類は、シマヒレヨシノボリカワヨシノボリ含みます。