大阪府立環境農林水産総合研究所

調査結果報告 1993年度

淀川調査結果報告1993

環境研究部 水生生物グループ

 1983年の淀川大堰完成後、10年が経過し、総合的な水管理が行われるようになました。すると、水位水量の変動幅が小さくなり、大きな洪水等が減少しました。また、枚方大橋から下流が大きなダムのような状態になり、流れがほとんどなくなりました。一方、ワンドの重要性が見直され、淀川流域の数カ所に人工ワンドが造成されました。このように、淀川の魚類の生息環境は大きく変化しました。そのため、当所では生息魚種の現状把握と生態および生息環境との関連の検討を行いました。

 

<参考文献>

田中正治・平松和也(2004) 「淀川の生息魚類の分布およびその生態」大阪府立食とみどりの総合技術センター水生生物センター研究報告12,1-64.

 

生息確認魚種と分布1993
  全域(本流+ワンド)   本流 ワンド
魚種 尾数 比率(%)   尾数 比率(%) 尾数 比率(%)
コウライモロコ 12398 45.83   7571 55.85 4827 35.76
オイカワ 5131 18.97   3539 26.11 1592 11.79
ハス 2703 9.99   816 6.02 1887 13.98
タビラ 1107 4.09   47 0.35 1060 7.85
フナ類* 910 3.36   343 2.53 567 4.20
ゼゼラ 870 3.22   14 0.10 856 6.34
ニゴイ類* 845 3.12   210 1.55 635 4.70
アユ 649 2.40   636 4.69 13 0.10
バラタナゴ 521 1.93   40 0.30 481 3.56
ワタカ 460 1.70   53 0.39 407 3.02
モツゴ 368 1.36   57 0.42 311 2.30
タモロコ類* 249 0.92   7 0.06 242 1.79
オオクチバス 232 0.86   78 0.58 154 1.14
イタセンパラ 155 0.57   . . 155 1.15
ヨシノボリ類* 112 0.41   30 0.22 82 0.61
ブルーギル 109 0.40   12 0.09 97 0.72
ヒガイ類* 65 0.24   18 0.13 47 0.35
カマツカ 47 0.17   26 0.19 21 0.16
コイ 36 0.13   13 0.10 23 0.17
ヌマチチブ 35 0.13   33 0.24 2 0.01
ウキゴリ 13 0.05   1 0.01 12 0.09
ギギ 10 0.04   2 0.01 8 0.06
カムルチー 8 0.03   2 0.01 6 0.04
カダヤシ 6 0.02   . . 6 0.04
ツチフキ 6 0.02   . . 6 0.04
カワムツ 3 0.01   3 0.02 . .
メダカ 2 0.01   1 0.01 1 0.01
ウナギ 1 0.00   . . 1 0.01
スジシマドジョウ 1 0.00   . . 1 0.01
タウナギ 1 0.00   1 0.01 . .
ナマズ 1 0.00   1 0.01 . .
デメモロコ 1 0.00   1 0.01 . .
合計 27055 .   13556 . 13499 .
 

全域(本流+ワンド)

  本流 ワンド

 

赤文字の魚種は外来種(国内移入種,亜種を含む)。
*フナ類には、ゲンゴロウブナギンブナを含みます。

*タモロコ類には、ホンモロコタモロコを含みます。

*ニゴイ類はニゴイ、コウライニゴイを含みます。

*ヒガイ類はカワヒガイビワヒガイを含みます。

*ヨシノボリ類はシマヒレヨシノボリカワヨシノボリを含みます。