大阪府立環境農林水産総合研究所

病名:ハリガネムシ症

病名:ハリガネムシ症

元気に泳ぎ、食欲もあり死ぬほどの異常はなし。

コイのうろこ数枚がわずかに持ち上がり赤っぽくなる。うろこをはがすと中から鮮紅色の細長い虫が出てくる。

ハリガネムシ症の写真

ハリガネムシ症のコイ

原因虫はうろこの下に入っているので外側からは見えないが、その部分のうろこが少し浮き気味で赤っぽく見える。(写真左)

ピンセットでうろこを取り除くと長さ10cmほどの鮮紅色をした原因虫が確認できる。直接の被害は少ないが、商品価値が低下する。 

原因虫:

 線虫類「ハリガネムシ(鮒糸状虫)」

治療法:

 親虫を駆除する方法はないが、親虫は春に仔虫を産出後寿命で魚体から脱落する。

予防法:

 仔虫の中間宿主となるミジンコ類を5~6月頃、トリクロルホンの散布で駆除すれば仔虫の伝搬を防ぎ翌年は発病しない。

備考:

 トリクロルホンはエビ、ミジンコ類、巻貝に対して毒性が強いのでこれらが必要なところでは使用できない。