大阪府立環境農林水産総合研究所

酸性雨に関する調査

酸性雨に関する調査

酸性雨は、工場や自動車の排出ガスなどに含まれる「窒素酸化物」や「硫黄酸化物」などの酸性物質が水蒸気に溶け込んで雨や雪となって地上に降下する現象のことです。
 また、現在は、これらの物質が水蒸気に溶けずにガスや粒子のまま降下する現象も酸性雨と呼ばれています。

酸性雨は、植物の葉に付着して植物の細胞を直接むしばんだり、土壌に浸み込んで土壌を酸性化して植物の生育を妨げたり、湖沼や河川に流れ込むと水を酸性化して魚の成育を妨げたりするなど、生態系に悪影響を与える恐れがあるとされています。

酸性雨が生じるメカニズムは明らかになっておらず、アジア大陸からの飛来物の影響を受けている可能性もあります。メカニズム解明のためには、長期にわたりデータを蓄積していく必要があります。また、酸性雨は、粒子状物質の生成にも関与しているため、蓄積された酸性雨に関するデータは、大気汚染物質の削減対策を検討するための基礎データとしても重要です。

当研究所では、市町村と連携して雨水や大気に含まれる硫酸イオンや硝酸イオンなどを測定し、その地理的・時間的傾向を解析しています。

【酸性雨のメカニズム】

酸性雨のメカニズム