大阪府立環境農林水産総合研究所

コイセンサー(コイによる常時水道原水水質監視)

コイセンサー(コイによる常時水道原水水質監視)

生物多様性センター

 

大阪府には淀川の水を原料として、市町村を通して府民に安全な水道水を供給する浄水場が3ヶ所あります。
しかし、都市の中を流れる淀川の水にはさまざまな物質が含まれています。
その中には場合によっては健康に悪い影響を与える物質も含まれる恐れがあります。
そこで淡水魚試験場は大阪府水道部と共同でそれら有害物質の流入を従来の監視と比べいち早く察知し、危険を予知する設備を開発し各浄水場の取水口に設置しました。

 

システムフロー

装置の概要

(1)半球の容器が5個直列に連なった水槽に水道の原料水を連続的に導き、この水槽に7~9尾の白いコイを放っておきます。

 

(2)上流で定期的に餌を与えることにより、コイが常時上流の水槽にいるように慣らしておきます。

 

(3)この状況を常時、カメラで撮影して画像処理し、各水槽にいるコイの数を計測します。もし有害物質が原水に流入すれば、コイは下流の水槽に逃げ(忌避行動)、コイの数の分布が平常時と異なってきます。このとき警報を発し、水質の異常を知らせます。

 

(4)警報が発せられたとき、水質の状況を確認してすみやかに対応します。

 

フローシート