環農水研・食品技術ニュース第60号 2023年12月27日配信 「古墳水濠酵母」の分離と食品への利用 日本各地で、ストーリー性や特徴のあるオリジナル酵母を得るための取り組みが行われています。 環農水研では、「百舌鳥・古市古墳群」から産業用酵母を分離し、食品へ利用する研究を進めています。 お濠の水から酵母の分離 羽曳野市の協力のもと、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の1つである墓山古墳からお濠の水を採取しました。 選択培地を用いた集積培養と遺伝子解析による同定を行い、含まれる微生物の中から、産業用酵母であるSaccharomyces cerevisiaeを分離しました。   分離した酵母から特徴のある株を選抜 分離した酵母について、利用可能な温度、亜硫酸(ワインの酸化防止剤)への耐性、ヒスタミン(アレルギー物質)を作らないこと等、ワインやパンへの利用が可能かを調べる試験を実施しました。 その中から、「発酵臭が発生しにくく素材の風味が活かされる」という特徴を有する酵母株を選抜しました。 この選抜酵母株は、ワイン醸造(赤・白)や製パン(食パン・バケット・菓子など)に利用が可能です。 「古墳水濠酵母」という名称で商標登録もしました。 試作試験を進め、古墳水濠酵母を使用したワインなどの商品が開発されています。 古墳水濠酵母の利用に興味がある方は、食品グループ(電話番号 072-979-7063)までご相談ください。 食品関連事業者を支援する各種メニューをご利用いただけます(一部有料)。 商品開発や品質管理でお悩みの方は、 食品グループ(電話番号 072-979-7063)までお気軽にお問い合わせください。