環農水研食品技術ニュース第48号 2022年7月15日配信 pHメーターのご紹介 pHは、食品の品質保持や性質に大きな影響を与える要因の1つです。今回はpHを測定できる装置と、pHによって色が変化する特徴的な色素を使った商品開発事例をご紹介します。 pHとは水素イオン濃度のことで、液が酸性か、中性か、アルカリ性かを判断する指標です。水素イオン濃度が高いほどpHの値は小さくなります。水素イオンは酸味刺激をもたらすため、水素イオン濃度が高い、つまり酸性の食品はすっぱく感じます。食品の原材料名に、pH調整剤と表示されているものを見かけたことはありませんか? 商品の保存性や、食感や色などを向上させるための手段の1つとしてpHの調整を行います。 pHを測定できる装置として、pHメーターをご紹介します。弊所で所有しているpHメーター(コンパクトpHメーター LAQUAtwin、HORIBA製)は、測定部に液体を数mL滴下し、ボタンを押して数秒待つだけでpHを測定することが可能です。 ナスやブルーベリーなどの鮮やかな紫色のもとであるアントシアニンは、pHによって色が変化する特徴的な天然色素の1つです。 pH5.3では紫色を示すアントシアニンの液に、クエン酸を添加してpH2にすると液は赤色に、重曹を添加してpH7.7にすると液は青色に変化します。 pHによる色調変化を利用した商品開発事例としては、水ナスの色素を使って鮮やかな3色の塩を開発した水ナス塩、赤色のカクテルシロップのpHを調整することで紫色のカクテルとして飲めるようにしたカクテルシロップがあります。 研究所では、ナスのアントシアニンを抽出する研究やアントシアニンの色調変化に着目した研究を行っております。興味のある方は、お気軽にご連絡ください。 終わりに 食品に関する技術支援制度  環農水研では、府内の食品関連事業者・農林漁業者の皆様が自社製品を開発・改良する際にご使用いただける、多様な加工機器や分析機器をご用意しています。  食品の試作や保存性調査、成分変化の分析データ収集等にご活用いただいています。  内容により費用を算定しますので、まずはお問い合わせください。  お問合せは食品グループ、Tel072-979-7063まで。