環農水研食品技術ニュース第 47号 2022年6月16日配信 時短でできる野菜・果物の砂糖漬け (南仏の郷土菓子 フリュイ・コンフィ )  野菜や果物を砂糖漬けにすると、美味しいお菓子として食べることができるだけでなく保存食にもなります。今回は、真空包装機や電子レンジを使った砂糖漬けの製法を2つご紹介します。  フリュイ・コンフィ(果物の砂糖漬け)は果物の形を残し、甘い中にもほどよい酸味と軟らかい食感が特徴のお菓子です。その製法は、漬ける糖液の濃度を徐々に上げていき数日から数か月かけ糖液を果物の中にしみ込ませ、果物の水分を糖液に置き換えるものです(糖液置換) 。製造には手間と時間が必要でした。そこで、半日でできる「時短製法」を開発しましたので紹介します。  時短製法の糖液置換には2~5時間ほどかかります。 製法1 真空包装機を使う 減圧から常圧に戻す時に糖液が浸透します。はじめは低めの糖度(30度程度)で減圧と常圧を数回繰り返します。次に、40~45度程度の糖液に替えて減圧と常圧を数回繰り返します。濃い糖液に替え、最終の糖度が60度以上になるまで続けます。糖液置換が終了したら、乾燥します。 製法2 電子レンジと市販の加圧調理用バッグを使う 市販の加圧調理バッグなどを使用すると適度に圧力が抜ける機構になっていて便利です。 作り方(水ナスの砂糖漬け) 1.市販の加圧調理用バッグに糖液150mL(糖度約30度)と厚さ約1㎝にスライスした水ナス1個分を入れる。 2.5000Wで約5分間電子レンジで加熱する。(袋に入れる容量など取扱説明書をよく読んでください) 3.加熱後庫内で3分ほど冷却する。 4.庫内から取り出しバッグを流水に浸し急冷する。(やけどしないように!蒸気吹き出し口からの蒸気に気を付ける) 5.袋に砂糖を加え糖度を上げていく。(砂糖は糖液に溶かすこと) 6.2~5を数回繰り返し最終の糖度を60度以上にします。 7.糖液置換が終了したら、乾燥します。 終わりに 食品に関する技術支援制度  環農水研では、府内の食品関連事業者・農林漁業者の皆様が自社製品を開発・改良する際にご使用いただける、多様な加工機器や分析機器をご用意しています。  食品の試作や保存性調査、成分変化の分析データ収集等にご活用いただいています。  内容により費用を算定しますので、まずはお問い合わせください。  お問合せは食品グループ、Tel072-979-7063まで。