環農水研食品技術ニュース第 39号 2021年10月1日配信 食品の色を測り、品質向上に生かす装置のご紹介  食品の品質にとって色は重要です。色がおいしさを喚起させたり、逆に劣化を知らせてくれるためです。食品の色を「濃い赤」や「淡い緑」などと感覚的に記録・管理・伝達するのではなく、色調や濃淡の度合を数値化することによって品質の基準が明確になり高位平準化が図られます。そこで今回は色を簡単に数値化できる装置と、それを活用した色管理の実用例をご紹介します。 使用機器 ハンディ型分光色差計(NF777、日本電色)  食品などの色彩値(L*値(白~黒)、a*値(緑~赤)、及びb*値(青~黄))を測定する装置です。対象物の写真と共に記録しておくことで、保存中や加工過程の微妙な色の変化を数値で把握することができます。  L*a*b*の値の組み合わせで色が1つに決まるので、品質管理や技術伝承、取引先との認識共有が可能になります。 実用例 ブロッコリーの保存試験  ブロッコリーなどのクロロフィルを含有する青果物は、劣化すると緑色の退色と黄化の促進が見られます。そこで、劣化の指標を色で確認しました。ハンディ型分光色差計でL*,a*,b*値を測定し、黄化の指標として L*×b*/|a*|(以下黄化指数と表記)を計算することにより、劣化の度合を数値化しました。  見た目では、包装改良Aと包装改良Bには差がありませんが、黄化指数からは包装改良Aの方が良いことがわかりました。 終わりに 食品に関する技術支援制度  環農水研では、府内の食品関連事業者・農林漁業者の皆様が自社製品を開発・改良する際にご使用いただける、多様な加工機器や分析機器をご用意しています。  食品の試作や保存性調査、成分変化の分析データ収集等にご活用いただいています。  内容により費用を算定しますので、まずはお問い合わせください。  お問合せは食品グループ、Tel072-979-7063まで。