環農水研食品技術ニュース第 38号 2021年8月31日配信 食品の微生物制御に関する研究のご紹介  食材、器具、ヒトには目に見えない微生物が付着しています。これらの中には、食中毒や腐敗を引き起こす有害な微生物が存在している可能性があります。食品の安全性や保存性を向上させるためには、微生物を付着させない、増殖させない 、殺菌することが重要です。  環農水研では様々な食品に適した微生物制御に関する研究を実施しております。 研究成果の例 水なす果実への殺菌効果の評価  数種殺菌剤の殺菌効果を評価するため、モデル的に一般指標微生物を接種した水なすを用いて殺菌前後の一般生菌数を測定しました。  いずれの殺菌方法でも100分の1程度まで菌数が減少し、同等の殺菌効果があることを確認しました。 加工食品の腐敗対策  通常ドライフルーツや佃煮は乾燥工程や煮詰工程により水分を除くため、数ヶ月の保存が可能です。しかし、水分の除去が不十分だとカビや酵母による腐敗が発生する可能性があります。  水分活性値を制御することで、腐敗の原因となる微生物の増殖を予防することが可能です。 乾燥工程や煮詰工程において、環農水研が保有する測定装置を活用することで、適切な製造条件を検討することが可能です。  環農水研では加工食品の消費期限及び賞味期限を保証するための微生物検査は実施しておりません。 終わりに 食品に関する技術支援制度  環農水研では、府内の食品関連事業者・農林漁業者の皆様が自社製品を開発・改良する際にご使用いただける、多様な加工機器や分析機器をご用意しています。  食品の試作や保存性調査、成分変化の分析データ収集等にご活用いただいています。  内容により費用を算定しますので、まずはお問い合わせください。  お問合せは食品グループ、Tel072-979-7063まで。